梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

能動的サイバー防御のこれから

先の国会で、能動的サイバー防御(ACD)の法案が可決成立した。昨年の通常国会で成立したセキュリティ・クリアランス(SC)の関連法はすでに施行されていて、これでサイバーインシデントに関するインテリジェンスを取得し護る両面の法整備は成った(*1)。 …

AIと並んで脅威となるのはこれ?

AIについてはこれまで何度も、その脅威の例を紹介してきた。例えば、 ・AI(&自動化)によって雇用が失われる ・AIを使えるか否かで格差が(大きく)広がる という直面する課題から、「シンギュラリティ」が訪れて人類が滅亡するというものまである。ただテ…

スポーツデータのビジネス拡大

メジャーリーグ(MLB)での日本人選手の活躍が多く報じられ、見るともなく見ていると、各種のデータが視聴者にも多く提供されているのが分かる。例えば投手の球速は良く知られたデータだが、昨今は打者の打球速度や投球の回転数なども示される。 報道される…

政治家の資質とは何か?

何人かの国会議員と意見交換をしたことがあるが、経歴を見ると世襲だったり、元官僚だったりする人が少なくない。いずれでもなく「この人は」と思わせる有力議員もいるが、数は決して多くない。その代表格は、自民党の茂木元外務大臣だと思う。 官僚をしてい…

米軍は勝馬になら乗る・・・ならば

正直派手なことをしてくれたものだし、迷惑なことだったとも思う。米軍はB-2爆撃機7機(+囮数機)で、最大級のバンカーバスター弾14発をイランの地下核開発施設に墜とし、破壊不能と言われた施設を無力化した。併せて潜水艦からのトマホークミサイルも関連…

日本学術会議法人化法案始末

今通常国会では、いろいろ積み残され(先送りされ)た問題もあったが、いくつか決着がついたこともある。そのひとつが「日本学術会議の特殊法人化」。本来「学術の知見を活用して社会課題の解決に寄与する」はずだったが、パンデミックや福島第一発電所処理…

AI利用を隠したがるケース

先日、AI利用を推進している大手企業のガバナンス事例を紹介した(*1)。現時点では間違いなくトップクラスの取り組みだと思ったのだが、そんな企業の紹介でも出てこなかったのが、「AI利用を隠しているケース」である。もちろんこの企業は従業員のIT環境を…

出生率低下・・・でも経済は回る

昨年の日本人の出生数が70万人を初めて切ったことで、社会には衝撃が走っている。死亡者数は160万人ほどなので、自然減が90万人を超えた。今国会後半の争点の一つとなった「年金改革」にも、大きな影響がある。厚生労働省の試算は、もっと緩やかな出生数/特…

令和臨調提言の印象は「生ぬるい」

先週「令和国民会議」という有識者会合が、提言を発表した。いわゆる令和臨調提言である。 本文:提言「持続的な社会の発展のための財政規律」:令和臨調 2020年度からの「コロナ対策」が顕著な例だが、このところ例外措置であるはずの補正予算が常態化して…

経済安保のシンクタンク設立

経済安全保障という言葉も、一部専門家の間のものからかなり一般の人にも知られるようになってきた。直接の軍事侵攻やミサイル攻撃でなくても、円安によるエネルギーの高騰や令和の米騒動も市民生活に深刻な影響を与える可能性があることを実感されたためで…

追悼「King of Story Teller」

リアルでワイルドなスパイスリラーを中心に、読者の間で「King of Story Teller」と称された作家フレデリック・フォーサイス氏が亡くなった。享年86歳。英国には「インテリジェンスは紳士のお仕事」との伝統があり、エリート層出身の軍人やジャーナリストが…

護るべきは農家?農業?それとも・・・

「令和の米騒動」のおかげで、米に関わるいろいろな問題をメディアが取り上げるようになった。 ・日本の農家は1,000万トン生産能力があるのに、700万トンしか作らせない減反政策 ・2018年に減反政策廃止としながら、種々の縛りで「実質減反」を農水省が推進 …

ユニバーサルサービスゆえの甘え

郵便局の配達員に対する法定点検業務(酔っていないかなど車を安全に運転できるかのチェック)が、多くの現場で行われていなかったことが露見した。道路交通上のリスクであり、重大な法令違反である。国土交通大臣は、あまり例のない「貨物運送事業の免許を…

「センパー・ファイ」は誰に向けて?

とどまるところを知らないトランプ2.0政権の暴挙である。先週から続くロサンゼルスでの不法移民摘発への抗議デモに対し、州兵に続き海兵隊が治安目的で派遣されることになった。確かにデモ隊の一部が暴徒化して、打ち壊しや略奪、放火などをしている。しかし…

日本の「AI推進法」成立

先月末、日本でも「AI推進法」が成立した。AIの利用を推進しようというのが趣旨で、強い規制や罰則は盛り込まれていない。AI法制の議論で、私はまずはソフトローからと思っていた(*1)ので、この方針には賛成する。 次に着目したのは、AIの定義(*2)。これ…

<X>が暴露メディアになるリスク

もともと相容れない2人だとは思っていた。 ◆トランプ大統領 主目的は減税、環境問題は邪魔者扱い、製造業時代の経済感覚 ◇イーロン・マスク氏 主目的は財政再建、EV企業のCEO、AI&宇宙時代にも先鞭 の2人が、なぜかタッグを組んでトランプ2.0政権を船出さ…

国家サイバー統括室と内閣サイバー官

先月「能動的サイバー防御」関連法案が成立し、昨年成立し先月施行された「重要経済安保情報保護活用法(セキュリティ・クリアランス制度)」もあって、徐々にサイバー空間での安全保障についての法制が整ってきた。まだまだやるべきことは多いのだが、政府…

日本での安全保障展示会DSEI(3/終)

ドローン等に内蔵してしまった(だろう)AIはなかなか説明してもらえないが、AIを使った脅威検知や各種のシミュレーションなどの展示はいくつかあった。そのほかにも暗号技術やブロックチェーンなどが、端々に登場する。 最初に話を聞いたのは、<Ansys>と…

日本での安全保障展示会DSEI(2)

国際紛争が頻発していて、どこでもドローンの活躍が伝えられる。情報が比較的入って来るウクライナ戦線ではより詳細に、 ・水上ドローンが戦闘機や攻撃ヘリを撃墜 ・空中ドローンが塹壕に溶融金属の雨を降らせる ・火炎放射器装備のロボット犬が辺りを焼き尽…

日本での安全保障展示会DSEI(1)

サイバーセキュリティが安全保障の一環として考えられるようになって、私の交流する企業・団体・個人も少しずつ変化してきた。2019年にNATOの資金で行われたイベント<CYDEF2019>に登壇した(*1)のが、現役や元自衛官の人と公の場で議論した最初である。 …

抗うハーバード大学にエールを!

<反知性主義>をむき出しにしたトランプ2.0政権に対し、多くの大学は恭順の意を表している。反イスラエルのデモに参加した学生を勾留させたり、留学生の場合は帰国させるなどの暴挙に、学長以下大学中枢が異を唱えていない。それに対し卒業式などで、学生が…