梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

北朝鮮「IT Worker」の脅威(後編)

短いスピーチをした米国国務省の人は「DPRKは次々と攻撃手法を新しくしてくる。小さな予兆をつかんで、官民連携・国際連携により情報を共有して、これに対抗したい」と語った。そられの連携のために、まず実態がどうなっているのか、三ヵ国の政府と民間企業…

北朝鮮「IT Worker」の脅威(前編)

また米国大使館からイベントの案内がやってきた。テーマは「DPRK IT Worker」問題。DPRKとは、朝鮮民主主義人民共和国のことである。かの国には、 ・2014年、映画「インタビュー」を製作中のソニーピクチャー社をサイバー攻撃 ・2016年、バングラデッシュ中…

なるほどこれも「仮想通貨」かも

世の中には、数えきれないほどのポイントサービスがある。それらが単体ではなく相互に連携することで、利用者の利便性が増している。例えば今年5月に、私も使っている<PayPay>が三井住友カードと提携し、PayPayポイントとVポイントの相互連携が可能にな…

「20世紀後半は超大国の時代」との知見

トランプ2.0政権の暴挙は、留まるところを知らない。勝手に関税を掛け、内政干渉をし、国際機関からは脱退し、時には軍事力も使うし、民間企業のCEO人事にも口を出し、野球界の表彰にまで介入する。目指すところは独裁者への道、米国自身を1世紀前に引き戻…

Office365はミドルウェアと化した

コンピュータは、大まかに言うと計算を実行するハードウェアとどう実行するかを定めるソフトウェアに分かれる。前者は、半導体や素子、記憶媒体などであり、後者は俗にプログラムとかコードと呼ばれるものだ。コンピュータの黎明期には、機械語と呼ばれるハ…

一人はIT要員を雇いましょう

零細企業はもとより、小規模な企業のデジタリゼーションにはハードルが高い。一時期デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が流行り、小規模企業の経営者が関心を向けることもあった。しかしやってみた企業も、やったつもりの企業も、恐らく効果…

クオンツ人材を動かしたもの

金融(株式・債権等の証券)市場というのは、不思議なものだ。毎日のように発せられるトランプ2.0政権の目まぐるしい経済政策を目の当たりにしても、結局は堅調な推移を見せる。しかしミクロ的には、ある種の情報に極端な反応をすることもある。 それはもは…

赤字国債よりはマシ・・・な愚策

参議院議員選挙で「消費税減税」を掲げた政党が議席を伸ばし、衆参両院で少数与党となったことで、減税議論が現実味を持って語られるようになってきた。「熟議の国会」となるのはいいことだが、何かにつけて時間がかかることを市民は覚悟しなくてはならない…

全社員は「プラスAI人材」たれ!

私の所属するシンクタンクの研究員が、他に専門を持ちながらサイバーセキュリティの知識を併せ持つ人材のことを「プラスセキュリティ人材」と名付けて、その育成と活用を薦めたのは6年も前のことになる(*1)。 もちろんそれ以前にも、他に専門を持ってITの…

半導体100%関税の意味するところ

お盆休み明けの話題も、トランプ2.0政権の関税砲に関するものになってしまうのが情けない。医薬品について休み前に考察した時も、半導体チップ等への関税の言及はあった。その後のSNS上の「発表」を見ていると、 ・半導体を含む輸入品に100%関税をかける ・…

巨艦の舵はすぐには効かない(3/終)

(3)外国人材から選ばれる国となるために 2040年には人口減少社会だが、世界中から優れた人材に集まってもらえる国でありたい。産業界はサプライチェーン全体での人権やDEIを重視し、ジョブ型など雇用慣行を改善、生産性を向上して魅力ある企業になる。政…

巨艦の舵はすぐには効かない(2)

ではフォーラムの総括「持続的な価値創造が導く日本経済・社会の未来図」のどこに問題があるのか、4つの議論されたテーマとその結論について個別に見ていこう。 (1)科学技術立国の実現への道筋 2040年にはリープフロッグ型イノベーションとエコシステム…

巨艦の舵はすぐには効かない(1)

45年ほど前私が入社した日本の伝統ある企業は、メディアから「巨艦」とあだ名されていた。要するに「鈍い」と思われているのである。30万人以上のグループ従業員を抱えたゲゼルシャフトで、経済の大きな変化に付いていけないというのだ。経営幹部スタッフが…

これもグローバリズムへの抵抗

トランプ2.0政権のやっていることは、支離滅裂に見えて明確な何かを狙っていることもある。先週報道された2つのことは、相互に矛盾しているように見えるが、よく考えるとそうではないことがわかる。 まず例の「関税砲」だが、次の目標は市販の薬品らしい。 …

この人物はやはり「危険」では?

その人の名を初めて聞いたのは、1年ちょっと前。11月の大統領選挙を控えて、共和党大会が開かれたニュースがあった。大会ではトランプ候補が共和党候補として確定し、副大統領候補に(私たちは知らなかった)J・D・ヴァンスが選ばれている。 最も危険な上院議…

仮想通貨活用、政府も個人も

多くの国で、政府債務の問題が表面化している。IMFは各国に警鐘を鳴らしているが、ポピュリズム傾向の強い政府は減税やバラ撒きのための原資を、赤字国債に頼りたがる。トランプ2.0政権では、関税収入もあてにしているらしい。以前「トラスショク」に見舞わ…

対サイバー犯罪の官民連携とは(3/終)

「SIer、ベンダーの能力に差がある」ことから、そのランキングを見えるようにしてはどうかとの意見もあった。今ユーザ企業のセキュリティ努力に対して「星」をつけるという試みは経産省がしていて、「Security Action」のひとつ星、ふたつ星までは現行制度に…

対サイバー犯罪の官民連携とは(2)

その「宝の山」からは何が得られるのか。どんなに周到な犯人でも、何らかの痕跡は残してゆく。熟練の捜査官(フォレンジック担当)なら、 ・痕跡からサイバー攻撃の意図や目的、場合によっては犯人自身を推測する ・裁判等に耐えるように痕跡を証拠として保…

対サイバー犯罪の官民連携とは(1)

私にもデジタル政策についての官民連携に関しては、20余年の経験がある。デジタル分野は技術の発展が速いので、行政府が「こうしろ」といって進むものではない。民間の意見を十分に聞くことが大事だと、経産省・総務省・内閣官房の人たちは理解してくれてい…

日本の造船業にエールを

局地紛争は別にして、もうWWⅡ型の鉄と鉄がぶつかり合う大規模な戦争はないと思われた。米国海兵隊などは戦車を全廃し、データに基づく軽戦(奇襲して無力化し素早く去る)を指向していた。しかしロシアのウクライナ侵攻で、それが幻想だったことが証明された…

GDPRの隠れた意図(後編)

日欧間では民間企業も入れて「日欧ICT戦略ワークショップ」が定期的に開催されていた。私もそのメンバーとして議論を重ねたが、個人情報保護を金科玉条のようにとらえる欧州側に閉口したのは事実である(*1)。 その頑なさは人権意識によるもの、もしくはGAF…