梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2026-02-01から1ヶ月間の記事一覧

西側社会を揺るがすエプスティーン問題

日本にいるとどうしても疎くなるのが、未成年者保護の問題。別に「子供は天使のようだ」というわけではないのだが、欧米では未成年者に対する犯罪はそれ自体が重罪という感覚がある。オーストラリアが口火を切りスペインが続いた「16歳以下のSNS禁止」には、…

セキュリティ投資・人員数の目安値

私の所属するシンクタンクでは、3年前に「DXに積極的な企業なら、セキュリティ投資は売り上げの0.5%、要員は全従業員の0.5%を確保すべし」とするレポートを世に問うている。当時、多くの企業がサイバーセキュリティ対策を進めたいと思いながら、予算や人…

インテリジェンス費用の目安

何度か紹介しているように、企業の年間セキュリティ投資額の目標値は、全売上高の0.5%程度にすべきというレポートを、私の所属するシンクタンクが発表している。これは3年前の時点で、DXに前向きな比較的大きな企業という条件だった。もちろん業種の違いや…

中立・独立なメディアを誰が支える?

今月の総選挙も、新聞やTVニュースが現政権に批判的だったにもかかわらず、与党圧勝で終わった。これらのメディアは旧メディアと呼ばれ、SNSなど新メディアに比べて影響力は大きくないとする意見もある。確かにSNS上の「高市人気」は、文字通りの旋風を巻き…

自動車の乗り入れまで・・・中国製排除

まだ5G通信網が、技術的には完成していながら普及していなかったころ、米国で中国のHuaweiとZTE製5G機器を排除する規制が掛けられた。両社の機器は、性能的に日欧米のメーカー品より優れていたとは思えないが、何しろ安かった。 「西側」の通信網が、両…

持ち出しならぬ「持ち込みリスク」

ある企業のCISOと話をしていたら「データを社外の持ち出されるリスクばかり考えていたら、勝手に持ち込んできた事案が発生して困惑した」とこぼされた。これまで、データを不正に持ち出すケースについては何度も述べてきた。エスピオナージュ的な機密漏えい…

まずは旧メディアに嫌われること

俗に「SNS選挙」と呼ばれるものが、首長選挙から国政選挙まで広く行われるようになっている。その特徴は、旧メディアの予想を大きく覆すこと。顕著になったのは、2024年夏の東京都知事選挙だった。安芸高田市の市長で中央政界では無名だった石丸伸二氏が、予…

凶悪な犯罪組織、それがDXして・・・

先月、中国で詐欺の容疑で有罪となった11名が一斉に処刑された。死刑は昨年9月に確定していて、わずか4ヵ月後の執行だった。この11名、中国とミャンマーの国境地帯に跳梁するいくつかの犯罪組織(ミン)一族のメンバーだったという。 【解説】 中国、詐欺…

経営判断原則と株主代表訴訟(後編)

これらの政府見解や事案については私たちもそれなりに知悉していて、株主代表訴訟の可能性については素人なりに発信していた。今回は、なぜ株主代表訴訟という経営者個人に対する訴追があるのか、社会的に重視されるのかについて教えてもらった。 根本の理由…

経営判断原則と株主代表訴訟(前編)

企業経営とサイバーセキュリティを研究しているという弁護士と、意見交換をする機会があった。私たちも「サイバーセキュリティは経営課題」と唱え、事業継続を脅かすサイバー攻撃が日常化した今は、経営者自らが先頭に立って自社の(&サプライチェーンの)…

日本の暗号資産交換業者

代表的な暗号資産であるビットコインが、このところ下落している。お金が大好きなトランプ大統領の就任で、規制が緩和されるとの見通しで値上がりを続けてきたのだが、今年になって急落。トランプ2.0政権で上げた分を、そっくり吐き出してしまった(*1)。 …

想定外を乗り越えて一歩ずつ

昨年末、カリフォルニアで市街の1/3が停電するという大規模障害が起きた。これは変圧器(変電所?)の火災が原因と言われているが、ニュースで取り上げられたのは<ウェイモ>が運営する無人タクシーが止まった事案である。 アングル:無人タクシー「災害時…

外国語学習は、学問から趣味・教養へ

50年ほど前に私が工学部の学生だった頃、悩まされたのはドイツ語講座。正直訳が分からないのに、卒業のための必修科目だった。これはさらに50~100年以上前、工学系の技術をドイツ語圏から学んでいたころからの慣習である。学ぶべきこと(技術者も技術論文も…

私の名を騙る偽メール

ある人から、こんなメールが出回っているよと連絡を受けた。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~梶浦 敏範 (ここに@outlook.comのメルアドが記載されていた)会社の今後の業務を円滑に推進するため、新しいLINEグループを作成してください。 私がグルー…

勝手にふるまうAIエージェント「OpenClaw」

AI関連技術やソリューション・サービスの発展は、さらに加速しているように見える。例えば1年ほど前に、AI同士が人間の理解できない言葉で会話をするようになったことから、 ・個人情報保護を維持しながら、個人情報を有効活用できる ・一方、AIが人間に分…

これは事実上の「AI課税」では

AIブームで各所にデータセンターが設置され、AI能力を供給できるようになったのはいいのだが、データセンターが増えて水や電力を使いすぎるとの批判も増えてきた。人とAIが電力だけでなく(21世紀には渇水に悩む人が増えるとの予測の中で)水も奪い合うとい…

インフラマネジメント戦略小委員会発足

先月末、国交省で「インフラマネジメント戦略小委員会」の第一回会合があった。この小委員会は、何度か紹介している国交省の重要会議「技術部会*1」の下に設置されたもので、直接的には1年前の埼玉県八潮市における道路陥没事故を受けて、老朽化が進んでい…

スパイ防止法整備の布石かも

今は総選挙中なので、具体的な政策的制度改正の議論などは休止状態。新しい衆議院の構成や内閣の顔ぶれによって、選挙期間中に訴えられる政策だけでなく、あまり触れられていない政策についても、方針が改まるだろうから。表立って訴えられる減税等の政策に…

「Ethics of AI」はこうやって得る

昨日に引き続き、新興AI企業のことを紹介したい。ただ<Palantir>と今日紹介する企業<Anthropic>のスタンスは真逆に見える。前者は戦場のような環境で、戦いに勝つためのサービスを提供するのだが、後者はビジネスの世界で「Ethics of AI」を遵守したサー…

戦場で証明されたAIの適用拡大

先月開催されたWEFの会合、通称「ダボス会議」には6年ぶりにトランプ大統領もやってきて、勝手なことを言い放って帰った。それよりも私が注目したのは、戦争データヲタクであるアレックス・カープ氏の講演。彼の(AI)データ企業<Palantir*1>は、米軍の戦…