梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2026-06-01から1ヶ月間の記事一覧

個情法改正、大臣の勘違い(後編)

松本大臣はドクターヘリに搭乗する「空飛ぶ医師」、ドラマ「コードブルー」の監修も務めた。救急救命の現場から、医療DXの重要性やデータ活用の必要性は熟知している。マイナンバー(&カード)の普及によって、救える命が失われるのを防ぎたいとの想いが強…

個情法改正、大臣の勘違い(前編)

個人情報保護法は、3年ごとの見直しが行われる。本来昨年が見直し時期だったが、諸般の事情で遅れ(*1)、今年の通常国会に改正案が掛けられている。すでに与党優勢の衆議院を通過、参議院で審議中である。改正の骨子は4点ある。 1)適正なデータ利活用の…

リニアという巨大なストロー

日本の大都市で、大規模再開発プロジェクトが頓挫している。東京都港区や東京駅周辺などでは超高層ビルが乱立しているのだが、<中野サンプラザ>や新宿、品川ですら計画中止が取りざたされるほどだ。 市街地再開発、延期相次ぐ 資材高騰、中東情勢で混乱(…

AI時代の大学生、不満と不安

MetaのCEOザッカーバーグ氏が、SNS「Facebook」を立ち上げたのは学生時代。決して万人受けする性格ではなかったようで、映画「ソーシャル・ネットワーク」では、 「あなたは最低の人間ではないが、そう見える生き方をしている」 との言葉を浴びせられている…

まだ遠い「Society6.0」への道

AI技術の成果が生成AIからAI-Agentと進化してきたことで、適用分野は確実に広がっている。私はCopilot君を資料を書く時の下調べに使っている程度だが、私が所属するシンクタンクの若い研究者たちは、契約したAI-Agentなどをフル活用して研究にいそしんでいる…

IT協会さんの社員総会で特別講演

午前中雨が降って、少し涼しく感じたこの日。私は久しぶりにスーツを着、ネクタイまでしめて東京プリンスホテルにやってきた。IT協会(一般財団法人企業情報化協会)さんの社員総会があり、そこで特別講演をさせてもらうことになったのだ。IT協会さんとの付…

G7でもAIが主要議題となった

G7エビアンサミットが終った。ウクライナ戦争が終らず、イラン戦争も始まってしまい、トランプ政権の対欧スタンスが厳しくなる中での難しい会合だった。デジタル屋として着目したのは、主要なAI企業のCEOが招待されていたこと。 アンソロピックなどAI企業幹…

「マネジメント」と題した意味(後編)

そう、重要インフラの維持は技術的な「メンテナンス戦略」から、経営的な「マネジメント戦略」に論点が変っていたのだ。これは「サイバーセキュリティは技術課題から経営課題になった」という、私たちの主張と相似形にある。 サイバーセキュリティ部門やCISO…

「マネジメント」と題した意味(前編)

この日は、国交省の「インフラマネジメント戦略小委員会*1」の意見交換会。何度か会合を重ねて、課題の抽出や対策案などが出始めている。この日の会合は、委員全員が一人5分の持ち時間で、あらかじめ提出した資料を基に意見を述べる場である。 土木技術・行…

宇宙安全保障条約への淡い期待

NY市場(含むNASDAQ)が活況を呈している。ガソリン高騰などのインフレが影を落とし街角市況は決して良くないのだが、3つの巨大なIPO計画があって巨大なマネーが動いている。NYマフィアであるコロンボファミリーの若手幹部だったマイケル・フランゼーゼは「…

メインフレームからAIへ、時代の波

ソフトウェアの脆弱性を迅速に見つけ出すことのできるAnthropicのAI「Mythos」については、限定した企業団体から徐々に利用が可能になっている。もろ刃の剣であるため、利用が必要とされる企業なのか?信頼に足る企業なのか?が問われて、基準を満たした場合…

地方警察サイバー警察部への期待

経済政策や国会対応など現政権への批判が増えていることは承知しているが、少なくとも安全保障・治安維持に関しての政策推進は評価できる。今回も閣議決定で、都道府県警察にある「サイバー担当課」を「サイバー警察部」に格上げできることが決まった。 サイ…

生成AIで家計・資産管理を!

俗に「紺屋の白袴」という。専門性をもった人や企業が、自らについて得意な方向と逆のことをするという意味である。私自身も(専門性というほどのものではないが)デジタリゼーションを長く担当してきているが、個人の金融関連についてはコンサバティブだと…

トランプ氏は目的を果たした!

米国トランプ大統領には、このところ逆風が吹いている。イラン戦争は見通しが立たないし、国内の支持率も下降気味、11月の中間選挙に向けてゲリマンダー戦術などを駆使しているが、民主党優位は動かないと日経紙は報じている(*1)。最も激しい逆風は、司法…

選挙のSNS規制を論じている時に・・・

3兆円超で、2.5兆円が(現時点では使途の不明な)予備費という補正予算が、たった3日の国会審議で成立した。内容も期間も異例のことなのだが、その審議で一番多く報道されたのが、<文春砲>に関することだったのにも驚かされた。 先の自民党総裁選や今年…

従業員の本音は貴重な経営情報

もう20年も前のことになる。経営幹部スタッフだった私は、年末年始休暇の直前にあまり面識のない幹部から急に呼び出された。大きな企業なので複数の事業分野があり、その幹部は私には縁の薄い部門からやってきた人だった。指示されたのは、 ・幹部の出身事業…

マーケティングを損金にしたもの

我々は長く「サイバーセキュリティに掛ける費用は損金ではない。事業を護るための投資なのだ」と主張してきた。10年前は「攻撃されなかったらこの費用は無駄になる」と費用申請を拒否したCFOの話など、セキュリティ/IT部門の悲鳴が聞こえたのだが、昨今は多…

苦境のロシア、サイバー戦で抵抗

プーチン大統領の顔色が、このところ冴えない。歩き方や顔のむくみなどが指摘され、健康不安説もある。暗殺を恐れて、何ヵ所かのシェルターを渡り歩いているという噂もある。先月の中国訪問も表立っての成果は得られていないし、ウクライナ戦線では地歩を譲…

紙片ハンドリングメカの複雑さ

いつかは来ると思っていたが、意外と早かった。それは磁気乗車券(切符2.0)を廃止した交通インフラの登場である。 磁気きっぷ「全廃」首都圏一番乗り クレカのタッチ「完全対応」は全国初! 改札通過はすべて“かざす”に ゆりかもめ | 乗りものニュース ゆり…

AIバブルと呼ばれても仕方ないかも

6月になって、いろいろなものが値上がりしている。政府が何といおうとナフサなど重要物資の不足は明らかで、供給されるかもしれないが、少なくともコストは大幅に上昇している。不況下のインフレ(スタグフレーション)の到来かもしれないと、市民は怯えて…

福利厚生としての個人セキュリティ

世界的に「COVID-19」が流行してきて、急にテレワークが増えたころのこと。「ゼロトラスト」の議論をしていて、普通にビデオ会議をし、クラウド等のサービスを使っているから、境界防御じゃ無理(*1)なのだということに落ち着いた。実行はなかなか難しいけ…

電力をAIと人間が奪い合う事態

AIブームに乗って、世界中でデータセンター建設・新規稼働が進んでいる。大型船を改造して洋上データセンターを作る計画や、軌道上にデータセンターを建設する構想も発表されている。 それでも、当面地表面に建設するのが普通。また、紛争でデータセンター自…