何度か「サプライチェーンリスク」の中で、納入製品・部品にリスクが内在されていることについての議論を紹介している。いわゆる西側諸国では、特に世界の工場である中国でそのような製品・部品が製造されているのではないかとの懸念が高まっている。しかし一方で、中国自身もサイバー攻撃の被害者だと公表している。
私の所属するシンクタンクでは、以前から中国発の情報もフェアに受け止めていて、中国当局の「海外からやってくる攻撃」に関する報道も日本に紹介していた。今回それらを集大成する形で、レポートにまとめ、
を公開している。
トランプ政権の5Gに関してHuaweiやZTEを排除する動きや、近年のTikTok使用禁止措置などがあって、中国からの情報窃取等のリスクばかりが伝えられるが、かつてスノーデン氏が暴露しているように、デジタル監視プログラムPrismを米国政府が運用していたことも事実である。
昨日、広島で米国マイクロンテクノロジー社がDRAMの新工場を建設する件を紹介したが、そのマイクロン社の製品に「比較的深刻なリスク」が内在していると、中国当局が発表している。
中国、マイクロン製品購入しないよう警告-米と緊張エスカレート - Bloomberg
ただ「購入しないように」と言われても、中国企業であってもすぐに切り替えることはできない。サプライチェーンのずっと先にある「TierNレベル」の発注先で使っているかどうかは、早期の確認も難しい。
世界で利用される多くのハイテク製品(含むソフトウェア)は、何らかの形で西側の技術や中国の工場を使っている。全面的なデカップリングなど不可能だ。この報道について日本の産業界としては、
・中国側にもサプライチェーンリスク意識はある
・お互いに正しくリスクを理解し、過剰に反応しない
ことを学ぶべきだと考える。