昨日、一昨日に続いて、サーバローカライゼーション規制に関する話題をもうひとつ。ちょうど1年前に、インド太平洋経済枠組み(IPEF)が発足した。
IPEFはTPPがいやだから・・・だけ? - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)
発足時は13ヵ国(*1)だったが、フィジーが加わり現在は14ヵ国が加盟している。目指す4本の柱は、
1)公平で強靭性のある貿易
2)サプライチェーンの強靭性
3)インフラ、脱炭素化、クリーンエネルギー
4)税、反腐敗
なのだが、貿易といってもTPPやRCEPのように関税撤廃のような市場アクセス促進は入っていない。米国が国内の猛反対でTPPから離脱したように、市場アクセスは私たちは当然だと思うが反対論も根強い。
もっと細かな点では、サーバローカライゼーション規制禁止のような項目も入っていない。この点はTPPにもRCEPにも入っているが、インドがTPPやRCEP入りしない原因のひとつと言われている。
3項目目のクリーンな経済、4項目目の公正な経済というのも、容易には呑めない国も少なくない。そこで今回デトロイトで開催されたIPEF閣僚会合では、2項目目のサプライチェーン強靭化だけが進展したという。
インド太平洋で供給網強化 IPEF妥結、1年で成果(共同通信) - Yahoo!ニュース
各国が「世界の工場」でレアメタル等の希少物資のシェアの高い中国を意識して、中国に過度に依存しない経済を作ろうという点は、比較的合意しやすかったのだろう。もちろんIPEFの主目的がその点にあるので、1年間で合意に至ったのは必然でもあった。
日本政府はじめ各国には、他の3項目の議論も進めてもらい、特にサーバローカライゼーション規制禁止を含むデジタル分野での進展を期待する。できれば、あと1年でその成果を見せてもらいたいものだ。
*1:米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア