もう覚えていない人もいるかもしれないが、岸田政権の発足時に「デジタル田園都市国家」という構想があった。デジタルの力で地方が主役の社会を作るというもの(*1)で、例えば光ケーブルの密度が少ない日本海側にも、ケーブル等の基盤整備を行うということは聞いていた。ただどのような応用分野が促進されるのかについては、あまり知られていない。今回その一環を教えてもらう機会があった。その中心は、群馬県前橋市。
隣に新幹線が通る高崎市があるせいで、日本中でも地味な県庁所在地と言われている。そこでデジタル共助社会を実現する実証事業が、かなりの完成度で行われていた。種々のコミュニティをネット上で作るにあたり、誰もが繋がってきてしまうことへの利用者の不安はある。今は、
・米国型 少数のテック企業が個人情報を収集し、これを用いてサービスを提供する
・中国型 個人情報は国がすべて把握、国の管理下でサービスが提供される
の2例があるが、できれば日本は第三の道を行きたい。個人情報を主権者たる個人が納得・許可した上で、条件を定めて他者が利用できるようにするのが理想。これを「自己主権型データ管理モデル」として実現できているという。
安心・安全なデジタルID「めぶくID」を是非ご活用ください!/前橋市 (city.maebashi.gunma.jp)
で紹介されているように「めぶくID」を取得してスマホアプリを選択し、個々のアプリについて自らの情報を連携させるか否かを選ぶことができるのだ。利用者はまずマイナンバーカードによる厳正な本人確認を経て。ユニークなIDと(カード上とは違う)電子証明書(*2)を受け取る。このIDと証明書によって、
・各種の認証
・決済(めぶくPay)
・各種のアプリ間でのデータ連携
が可能となる。
<続く>
*1:デジタル田園都市国家構想とは|デジタル田園都市国家構想 (cas.go.jp)
*2:FPOSという鍵暗号式の強固な証明書、これがコミュニティ内での実印(私が私であることの証明)になる