この Basic Computing Service という考え方は、今後先進国の主流になっていくと思う。いや各種インフラが整備途上の国でも、鉄道や道路、郵便、銀行、電力インフラの整備に先駆けて、インターネットとスマホが政府のサービスとして普及することも十分考えられる。電力は太陽光など地域に合った方法でローカルに確保すればいいし、通信は<スターリンク>のような衛星利用もあり得る。
世界中で、政府の役割はBC(BCS)を定常的に提供することが第一義になるのではないか?実は私の所属するシンクタンクで2020年に公表した提言「アフターコロナの時代における真のデジタル社会の実現に向けて*1」の一丁目一番地に、
「すべての市民がオンラインアクセスできる環境を整備せよ」
と掲げている。インターネットに接続すること、そこで情報を得、意見を発信することが、基本的人権だという考え方である。

旧来の電子政府導入の目的は「役所のペーパーワークが多くて人手がかかって大変。だから合理化したい」というものだった。だから「公務員を何人削減できるからいくらのIT投資が可能」のロジックで進められた。そうではなく、市民の基本的人権を守ることが目的となれば、自ずと進め方や投資の考え方も変わるだろう。
・複数の通信インフラを整備して、切れ目のない接続を保証
・デバイスも必要とする人には、供与もしくは貸与
・使い方の分からない人に対する講習等を充実
・それでも使えない人には代行サービスを用意
したうえでなら、電子政府・自治体の進め方も容易になるはずだ。マイナンバーの導入、マイナンバーカードの事実上の強制措置の手順を見ていると、政府の覚悟(*2)が疑われる。もう一度 Basic Computing Service の観点、ネット接続は人権の考え方に立って、デジタル社会構築方法を再考してほしいと思う。
*1:政策提言「アフターコロナの時代における真のデジタル社会実現のために」 (j-cic.com)
*2:メディアはもちろん、市民に対して真摯に趣旨を説明しているように思えない