旧盆の休みが明けると、政府の来年度予算編成が本格化する。先ごろ閣議決定されている「骨太の方針2024」に従い、各省と財務省の折衝が始まる。財政全般では「PBバランスの黒字化」が盛り込まれていた(*1)ので、例年にも増して激しい折衝になるだろう。ただ「PB黒字化」には、国債費は含まれていない。そこで、概算要求では国債費が膨らみ(*2)過去最高の115兆円規模になる。
金利は現時点でも1.9%が想定されていたが、25年度は2.1%になっている。それゆえ国債費は29兆円近くになった。PB黒字化のため一般会計を抑え、それでも予算総額は増やそうという財務省の思惑通りになっているとの批判もある。現時点での公定金利は0.25%。2%まで上昇するのは、来年度中にはないと思われるのだが。
休み明けに本格的に動き出したのは、自民党総裁選も同じだ。総裁選後に解散総選挙が噂されているから100%確実ではないが、上記2025年度予算を執行する主役を選ぶ選挙だ。その候補について、経済学者の高橋洋一氏が評価をしている。
高市大臣の総合得点が最も高いが、私が注目したのは「内政」の項目。財務省との距離感を示したものだとある。高市大臣のみが4点、話題の(財務省出身)小林議員は3点、いわゆる「小石河」候補はすべて2点だ。
所詮自民党(党員約100万人)の中の選挙だが、誰が当面総理総裁の椅子に座るかは経済・社会に大きな影響がある。願わくば財政再建論者、さらに「小さな政府」を目指す人が座ってくれればありがたいのだが。
*1:「骨太の方針2024」中のPB黒字化 - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)
*2:国債費、過去最大28兆円計上へ 金利2.1%想定、利払い増 25年度概算要求(時事通信) - Yahoo!ニュース