梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

次の狙いはイーロン・マスク?

 お騒がせ実業家イーロン・マスク氏と、トランプ前大統領が接近している。前者はトランプ政権2.0での閣僚ポストを望み、後者は選挙資金を望んでいると伝えられる。閣僚になって何をしたいのか分からなかったのだが、ひとつの仮設を思いついた。それはこんな記事を見つけたから。

 

テレグラムのパベル・ドゥーロフCEO逮捕、イーロン・マスク氏が批判 SNS規制論議に影響 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 SNS上の偽ニュースなどに対して、コンテンツモデレーションという措置を運営事業者に課す方向(*1)だと、先月紹介した。日本では審議会の中間報告が出たばかりだが、欧州では「デジタルサービス法(DSA)」として規制対象となっている。

 

 

 コンテンツモデレーションに批判的だった<テレグラム>の創業者ドゥーロフCEOが逮捕された容疑が、DSAに関するものかどうかはこの記事ではわからない。

 

・<テレグラム>を利用した犯罪を放置した疑い

・犯罪予防に向けた措置を怠ったことによる詐欺の共謀

 

 とあるが、ロシア軍人なども愛用しているSNSだけに、政治的な意図ある逮捕劇ではないかとの観測も流れている。東欧中心に10億人のユーザを持つ<テレグラム>が、他のSNSより投稿内容を精査しない傾向にあることは確かで、それはマスク氏の持つ<X>についても言えること。そのせいだろう、マスク氏らは「言論の自由が脅かされている」と非難している。同じことをロシアの下院議員が言っているのは、噴飯ものだが。

 

 米国でのDSA論が、例えばカリフォルニア州などで進めば、マスク氏も逮捕されるかもしれない。いや今でも、欧州に旅行したら捕まってしまうかもしれないのだ。そこで仮説だが、トランプ政権2.0に近づいて(例えば閣僚になって)DSA導入に反対するか、最悪でも大統領恩赦を期待しようということではないか?もしそうだとすれば、やはりハリス候補に頑張ってもらわないと・・・。

 

*1:コンテンツモデレーション(前編) - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)