米国のフロリダ半島周辺は、ハリケーンのメッカである。日本の台風も巨大化しているが、ここに襲来するハリケーンの激しさは日本の比ではない。暴風・豪雨・洪水が街を吹き飛ばし、飲み込んでいく。それが2つ連続でやってきて、現地は大混乱だ。
2週間後は、いよいよ大統領選挙がある。昔から「オクトーバー・サプライズ」と呼ばれ、選挙の行方を左右する事件が起きやすい時期である。両党/両候補とも、現地入りして被災地支援を約束するが、一方でSNSなどによる悪質な偽情報も流れた。
【解説】ハリケーン「ミルトン」の偽情報はどのようにSNSで広がっているのか - BBCニュース
米国メディアはそれ自体が党派に寄っている(CNN≒民主党、FOX≒共和党)ので、現時点ではフェアな評価は望めない。そこで英国のBBC記事を参照してみた。
どうしても、政権党である民主党に対する攻撃が多い傾向にある。「政府が天候を左右している:ジオ・エンジニアリング」のような過激発言も飛び出した。それが共和党国会議員から出るという異常さ。どうしても共和党(トランプ)系のアカウントから多くの偽情報が発信されている。
それを拡散している主力媒体は、やはり<X>。投稿内容を管理する「コンテンツ・モデレーション」機能が他のSNSより低く、偽情報拡散のプラットフォームになっている。ブラジルでは一時期閉鎖され、罰金を払うとともに一部不適切なアカウントを凍結することで再開している(*1)。しかし、米国ではそのような措置はとられておらず、正直言いたい放題である。
イーロン・マスク氏がなぜ多額の献金をし、強力にトランプ支持を訴えるかについては、しかるべきポストが欲しい以上に<X>を御用メディアにして、米国を情報支配したいとの思惑があるのではないかと疑ってしまう。トランプ政権2.0になれば、ブラジルのように最高裁で禁止されても「御用メディアゆえ恩赦」とできるかもしれないからだ。
ますます来月の選挙が、米国だけでなく世界の命運を分けるような気がしてきた。