今年4月に米国連邦議会は<TikTok>の親会社バイトダンスに対し、米国企業に売却しなければサービスを停止させるとする法律を可決している。バイトダンスは売却に応じておらず推移が注目されていたが、今月もうひとつの打撃が与えられた。それは、13州とワシントンDCの司法長官計14名からの提訴である。提訴の趣旨として、
アメリカ13州と首都がTikTok提訴、10代若者のメンタルヘルスに「大混乱」もたらしたと - BBCニュース
・若者のメンタルヘルスに悪影響を及ぼしている
・危険な行為を勧め、死傷者も出ている
・強迫的な利用や中毒性がある
が挙げられていた。<X>を禁止した間にブラジルではメンタルヘルスが向上した(*1)との報道もあったので、この主張はまるきり根拠のないものではなかろう。
米国で<TikTok>は、1億2,000万人以上のユーザを持っていて、その影響力の大きさは計り知れない。ところで、米国を上回るユーザ数を誇る国がある。それは中国ではなく、インドネシア。なんと1億3,000万人近いユーザがいる。その使い方だが、私が知らなかったアプリケーションが芽生えていた。
日本と「全然違う」東南アジアEC事情、TikTokの「ある機能」が大人気のワケ |ビジネス+IT (sbbit.jp)
それは「Eコマース」。それもリアルタイムの商取引である。売り手は商品の映像等見せて売り込み、買い手は必要なら質問(掛け合い?)もして気に入れば注文する。決済も<TikTok>上でできる(*2)。まるでサイバー空間での「テキ屋稼業」である。
加えて、売り手をAIが担当することもできるという。これなら、店舗も販売員もいらず最小の固定費でできる理想的な小売業だ。先行するECサイトを脅かす存在になるかもしれない。適用拡大はいいけれど、負の部分への対処をどうするか、運営事業者のスタンスが注目されよう。
*1:<X>なき社会の実験は・・・ - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)
*2:米国では、無許可の送金事業ができてしまうとの批判もある