先週、韓国の忠清南道鶏龍台で「韓国国際防衛産業展示会:KADEX2024」が開催された。先端兵器が数多く出展され、その多くは各種ドローン(無人化)兵器だった。当然、レベルはともかくAIが搭載されている。
最先端ドローンなどAI兵器を網羅…未来戦場のような韓国・防衛産業展示会 写真枚 国際ニュース:AFPBB News
韓国は北朝鮮という休戦中の敵国を抱え、徴兵制によって日本より多くの兵員を持っているが、日本以上の少子化には苦しめられている。相手は100~200万人の兵力を持つ北朝鮮である。兵員数の不足は、自動化(AI)で補わないといけない。
この展示会には、ロッキード・マーチンなどの国際的兵器産業の他、韓国企業も多数出展している。現代グループなどは、全体ブース(1,400以上)の1/4を占めるブースを出していた。国際的平均産業に比べると、ハードウェア面では互角ながらソフトウェア面でやや劣るとの反省の弁もあったが、今後ソフトウェア面の充実も図る意欲は大きい。
ソフトウェア面の充実とは、要するにAIを磨き、相手のAI兵器より早く判断して相手を撃破するということ。人間の判断など待っていられないので、必然的に自律型AI兵器(LAWS)への進化を考えるはずだ。国連はAI兵器の規制に向けた協議体を作る(*1)としているが、それが始まる2026年までに大きな枠組みが出来てしまい、既成事実化する(*2)懸念がある。
別の記事では「LAWS規制と言っても、LAWSの定義が定まっていない*3」との指摘もある。走り出してしまったAI兵器(LAWS)を、どうやって止めるのか?核兵器同様、禁止はしたけどみんな持っている・・・になるような気がするのだが。
*1:国連 “AI兵器 2026年までに禁止や規制に向けた法的規制を” 自律型致死兵器システム“LAWS”に危機感 | NHK | 国連
*2:秘密主義の軍事向けAIユニコーン - 梶浦敏範【公式】ブログ
*3:国連 “AI兵器 2026年までに禁止や規制に向けた法的規制を” 自律型致死兵器システム“LAWS”に危機感 | NHK | 国連