「103万円の壁」問題で与党を追い詰めた国民民主党の玉木代表だが、一部週刊誌の不倫報道から思わぬ守勢に立たされた。かつては自民党宇野総理が女性スキャンダルで総辞職したこともあり、市民のヒーローの陰の部分がさらされて微妙な状況だ。これを陰謀論で捉える人もいる。
森永卓郎氏 国民・玉木代表の不倫スキャンダルに「逆らうと必ずこういう目に。“きったねぇなぁ”って」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
影の勢力が動いたというより、ネタを握っていたマスコミが「最良のタイミングで暴露」しただけだろう。より深い問題は、やはり与野党問わず政治家にはこの種のスキャンダル、例えばハニートラップのリスクがあるということ。
前国会で成立した「セキュリティ・クリアランス(SC)法」は、国家機密に触れるであろう政治家を除外している。
国会議員が守秘義務を持たないため、守秘義務を持つ官僚が大きな政策を決めてしまうことになる。本当の機密の絡む案件では、国会議員には結果だけ伝え、理由は明示しない。明示すれば漏えいの恐れがあるからだ。国会には秘密会の制度もあるが、開かれたことはない。それには国会議員が守秘義務がないことも影響しているだろう。
SC制度の議論の時、唯一国民民主党が政務三役を含めた政治家を対象にすべしと主張した(*1)。確か政治家に対するハニートラップを、リスクと捉えた発言があったと思う。国民民主党の政策案にはおおむね賛成(*2)な私だが、特にこの点は評価した。
維新の会の議員定数削減案は「身を切る改革」だが、上記の主張は「身を律する改革」につながる(*3)と思っているからだ。ところがいいだしっぺの玉木代表自身が、ハニートラップに弱いところを露呈してしまった。本当に身を律する人なら、ありえない醜態である。
国会議員としてSC資格を得ようとしたとき、玉木代表は合格するのだろうか?記者会見を見ていて、そんな思いを持ってしまった。
*1:大きな枠組みの議論を期待する - 梶浦敏範【公式】ブログ
*2:ただ103万円の壁にしても、財源は与党で勝手にやっての主張なら賛同できない
*3:政務三役にとどまらず、多くの国会議員にSCを取得してもらいたい