木枯らしが東京でも吹き始める中、この日は新橋駅から虎ノ門まで歩いてきた。このあたりの再開発も相当進んでいて、知らないビルが多いのだが、そのひとつ「虎ノ門ダイビル」が目的地。巨大ビルの狭間に建つ金毘羅神社の先に、そのビルはある。
その3階にあるシンクタンク「日本国際問題研究所(JIIA)」の会議室で、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)がとりまとめた、サイバーセキュリティ分野での英日協力に関する提言「英日サイバーパートナーシップの未来*1」とするレポートのお披露目会合があるのだ。

このレポートに関しては、RUSIが1年前に多くの日本関係者にインタビューした内容を基に、日米の有識者で議論してまとめたものである。私のシンクタンクも、インタビューに協力した(*2)。多くの分野で日英協力は進んでいるが、直接のきっかけとなったのは2023年の広島アコード。G7会合の機会に発表されたもので、経済的繁栄・グローバルな強靭性・防衛と安全保障を優先事項として協力するというもの。サイバーセキュリティは、この2項と3項に関わってくる。
サイバー分野で具体的には、官民連携強化・サイバー能力の強化・世界的な共通利益の増進についてコミットメントを交わすというものだった。これらの枠組みの中で検討された今回の提言内容をかいつまんで紹介すると、
1)能力開発
・部門を問わず、再現可能な人材育成のための協力活動を擁立
・人財の維持、採用方針に関する非公式の議論を継続
・より効果的な情報共有とサイバー脅威インテリジェンスのプロセスを確立
2)官民連携
・地域クラスター間のパートナーシップを実現
・各セクターのISAC間の連携を促進
・商業分野のサイバー活動に的を絞り、その拡大を支援
・国レベルの官民連携を拡大し、両国企業を巻き込む機会を作る
<続く>