先の総選挙で落選していた自民党甘利明元幹事長が、政界引退の意向を表明(*1)した。決して選挙に強い人ではなく、比例復活などで議員のイスを際どく守ってきたのだがその策もついに尽きたようだ。今後も政策活動は継続し「半導体に注力」と仰っている。
このニュースに<ヤフコメ>では、「遅すぎた」などのバッシングの声が圧倒的に多い。政治資金疑惑が何度かあり、幹事長時代には大盤振る舞いをしたとの批判も大きい。ただ僕らにすると、数少ないデジタル政策を相談できる重鎮議員だった。
・Global & Digital政策としてのTPP
・マイナンバー普及とデータ活用策
・サイバーセキュリティの重要性を訴え
・経済安全保障の中のデジタル政策

などをテーマに何度もお会いしている(*2)。半導体を含むデジタル産業政策では自民党の中心人物だったが、不幸なことに選挙区(神奈川20区)は相模原市南区と座間市。目立ったデジタル産業は存在しない。選挙区内でデジタルの話をしても、恐らく票にはつながらなかったろう。
しかし建設工事を引っ張ってきたり、市民に恩恵のある助成金を導入したりという政治活動が評価されるのが「ムラ社会」としての小選挙区。政策と選挙の狭間を埋めるために、どうしても資金が必要だったのではなかろうか。
30年ほど前の政治改革で小選挙区制が導入されたが、結果として小粒で大局を見ず、先を見た政策を展開できない政治家を量産することになった。賛否はあろうが、甘利元議員はその例外的存在だった。
中選挙区は選挙には弱いが(意義ある)政策に強い議員を、かろうじてでも生き残らせる制度だった。もし中選挙区だったら、甘利先生個人だけではなく僕らのデジタル政策ももう少し「本道」に位置付けてもらえたかもしれない。ちょっと残念・・・。
*1:自民・甘利明氏が次期衆院選に不出馬表明 元幹事長、政界引退はせず政策実現に尽力(カナロコ by 神奈川新聞) - Yahoo!ニュース
*2:あくまでフェアな政策要望と意見交換で、献金などはしていない