初等中等教育に「デジタル教科書」を使おうというアイデアは、ずっと以前からある。義務教育は特にDXの遅れている分野だが、デジタル化について一番盛り上がったのは、菅(スガ)総理、平井IT担当大臣のころだったと思う。抵抗勢力に成るかと思われた荻生田文科大臣が沈黙を守ったので、うまく進むのではと期待した。
デジタル教科書への要望 - Cyber NINJA、只今参上
ただここに紹介したように懸念もあって、今ある教科書をPDF化してタブレットで見る・・・では全くダメ。現場の教師が黒板に書く作業を含めて、動画やスライド形式にして「教科書」とすべきだと申し上げた。その後議論はどうなったのか知らなかったが、今回このような記事が・・・。
「デジタル」も正式教科書、文部科学省が「紙」との選択制検討…専門家から懸念も(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

紙の教科書と同一の内容の「デジタル教科書」と聞いて、全く分かっていないなと落胆した。あしかけ4年経っての0点回答である。とはいえ、なぜこうなっているかを考えてみよう。
まず文科省としては(旧自治省の国と地方は対等との考えに似ているが)、地方の教育委員会に現場の施策を握られていて、大きな方針しか出すことができない。今回も紙とデジタルを併用し、選択権は教育委員会にある。国として「デジタルも正式」にするだけで精一杯とも言える。
一方現場としては、デジタルを扱える教員も少ないし、通信環境も不十分だ。普通にWiFiを使ったのでは、1クラス35名×10クラスが一斉にタブレットを操作し始めたら、まともな性能は出ない。仮に性能を確保できたとしても、操作ミスなどあちこちで悲鳴が上がれば、教師ではなく情シス員の仕事ばかりになってしまう。そこで、あえてもう一度提案したいのだが、
・デジタル教科書は紙教科書とは別のコンテンツで、動画・スライドを多用する
・学校全体にローカル5Gを整備、高速・低遅延・多端末接続の能力を活用する
・教員は、児童生徒が学ぶIT環境含む環境を整備するのが本務としてリカレントする
として欲しい。