梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

トランプ2.0がくれるヒント

 ガザは米国がもらうとか、グリーンランドを売れとか、カナダに51番目の州になれとか、ほとんど侵略者のようなトランプ2.0政権である。国内でもCIAの全職員に退職勧奨をするのに加え、財務データから「不正」を暴くとして機密情報に触れ、ブロックチェーン管理などと言い出した。「某国の誰にカネを渡して工作したか」まで世界中に見えてしまったら、世界秩序が守れないかもと思わせる。

 

 しかし「政府などの無駄削減」で聖域なく邁進しているので、面白いヒントが得られることもある。例えば、1セント硬貨の製造中止(*1)。製造に2セントかかるという製造業時代の発想だが、金融分野でも効果は大きいとみる。製造しなければ痛みなどで、徐々に流通する1セント硬貨は減っていく。これが、社会コストを下げることは明白だ。

 

チャイナタウンのマーケット

 1ドル未満を強調するために、99セントの値札が付く商品は多い。そこで1セント硬貨が多く流通するようになり、両替などでコストがかかる。日本でも硬貨に金融機関が預け料をとるので、小銭扱いの多い業者には負担になっている(*2)。もちろん金融機関のバックヤードでもコストがかかるので、預け料をとるのはやむを得ない。

 仮に日本で、1円&5円硬貨を廃止したとする。日々の決済については、キャッシュレスだと1円単位だが現金だと10円まで切り上げとすれば、大きな混乱は生じないのではないか。現に鉄道運賃では「初乗り133円、現金(&切符)だと140円」という例もあり、随分以前に導入されたが怒りの声はあまりなかったように思う。

 

 各国の政府や金融システムは、自国通貨の信頼性を確保するため、多くのコスト(*3)を払っている。新1万円札の偽造防止技術や、紙幣真贋鑑別機器の導入がその一例。これだけキャッシュレス決済が増えているなら、10円未満の硬貨はなくてもいいし、なくした方が効率的だと思うのだが。

 

*1:トランプ米大統領、1セント硬貨の製造中止命じる-予算の無駄削減 - Bloomberg

*2:硬貨預け払い有料化の影響 - Cyber NINJA、只今参上

*3:ちなみに1円硬貨の製造コストは約3円