国会における、与野党の予算をめぐる政策協議が大詰めに近い。国民民主党が要求する「103万円の壁」議論が相対的に小さくなり、維新の会の「高校無償化」に関する報道が増えた。与党の本気度を想定するに、前者が8兆円ほどかかるのに対し、後者が数千億円で収まるからなのだろうか?
公立高校の授業料無償化に関しては、事実上の義務教育化している現状を考えればあり得る話。しかし私立高校に関してはどうだろうか?授業料を払わないパブリックスクール(*1)というのはイメージしづらい
高校無償化 維新、私立の所得制限撤廃「26年度実施」容認を検討 | 毎日新聞
それ以上に気になるのは、生徒一人当たりいくらの補助をするという話。シンプルに考えて、高校生の家庭にお金を配るより、高校に人数分助成金を支払って「授業料を取るな」とすればいいのではなかろうか?

振込手数料だけを考えても、高校生の数と高校の数を比べればその比率はケタ違いだ。先週も紹介したように、現金でも流通コストがかかる。振替・振込なら当然のこと。無償化に費用の上に、流通経費が乗ってきての予算総額になるのだ。
識者に聞くと「今回所得制限は撤廃する方向だが、それでも個々の家庭の事情に合わせ細かな配慮をするためには、各世帯補助が望ましい」とのこと。正直、意味が分からなかった。マイナンバーによる紐づけが不完全な現状では、結局各世帯が何らかの申請をすることになるはず。
すると申請を受理し、審査し、補助金額を決め・・・という手続きにも、コストがかかる。今でも市役所は人手不足、マイナンバーカード更新で行列ができている市役所もあると聞く。高校授業料補助のために臨時職員でも雇えば、さらにコスト増だ。
現に大阪では、高校に直接補助する方式が採られている。あえて手間(&コスト)のかかる方式を政府が選んでいるのは、総理の推進する「地方創生」のためわざわざ地方の仕事(英語でBullshit Jobs)を作り出しているからではないだろうか。
*1:効率の意味ではなく、英国で貴族の子弟を個々に家庭教師を雇って教育するのではなく、集団で教育する主旨で造られた学校のこと