梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

生成AIもコスパの時代に?

 「DeepSeekの衝撃」は、確かにあった。生成AIの研究開発には、優秀な頭脳はもちろん、高性能の半導体・大規模なコンピュータ環境・莫大な電力が必要とされていた。しかしNVIDIA半導体を入手できないはずの中国企業が、高度な生成AIを開発してしまったことから、上記の前提が崩れ去るかもしれないとの思いを市場が持った。

 

 それゆえ「AIバブル」とも言える現象に影が差した。市場はまだ崩壊をしていないものの、警戒感は根強い。そこに追い打ちをかけるような報道があった。

 

コストたったの30ドル。UCバークレー大の研究チームがDeepSeekを再現 | ギズモード・ジャパン

 

 問題の「DeepSeek」について、どうやったのか詳細はこの記事では分からないが、再現実験をしたところ、ローコストでできてしまったという。「DeepSeek」は梁文鋒CEO以下中国の超優秀頭脳が精魂傾けたとの報道もあったが、たやすく再現されたのには驚いた。

 

    

 

 しかし、現時点ではまだ正確なことは分からない。再現の結果「似たように動くもの」ができただけなら、梁CEOらの努力や能力に疑問を呈するまでには至らない。生成AI開発の市場価値など経済的な議論とは外れるが、この企業を中国習政権がどう扱うか(*1)、

 

・これまでの中国発のビッグテックと同様、制御しようとするか

・米国との競争に勝つために、当面好きにやらせるか

 

 についても興味がある。

 

 話を戻して、生成AI開発にはカネがかかり巨額の投資を求め続けるのなら、AIバブル様の現象はまだ続く。ソフトバンクGの巨額投資(*2)も、雲散霧消して終わるわけではないのだが・・・。

 

*1:一躍脚光のDeepSeek、創業者が目指すのは中国の技術革新:日経ビジネス電子版

*2:ソフトバンクG、オープンAIと合弁会社設立へ…孫正義氏「巨額投資事業を日本に拡張」 : 読売新聞