梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

総理の椅子はゴールじゃない

 ある大臣経験者で、今は政界から引退されている人とお酒を呑む機会があった。といっても先方は海外出張からお帰りになったばかり、ペリエを美味しそうに飲んでおられた。誘ってくれたあるテック企業の人たちと、4人だけの小さな会食である。場所は恵比寿銀座奥の、隠れ家的和食店

 

 最初は「Global & Digital」の話をしていたのだが、どうしてもトランプ2.0政権の所業や、石破政権の支持率低迷の話になっていく。最新の調査では支持率は発足以来最低の23.1%。不支持が51.2%と倍以上ある、危機的状況(*1)である。

 

 石破政権最大の問題は何かというと「総理になって、やりたいことが見えてこない。やりたいことがないと、ブレることになる」とのこと。さらに「やりたいことがはっきりしていれば、長期政権になる可能性がある」と仰る。可能性の意味は、運が良ければということだろうと、勝手に推測した。

 

        

 

 この方はそんな政権の例として、3例挙げられた。

 

・中曽根政権 金権腐敗からの脱却、政治の浄化

小泉政権 構造改革、民でできることは民で

・安倍政権 戦後レジュームからの脱却

 

 安倍2.0政権を引き継いだ菅政権までは、方針ははっきりしていた。しかしその後やりたいことが見えない。岸田首相については「つかみどころのない鵺のような政権*2」と評した書籍が出るほどだ。

 

 首相というのは激務である。時には思わぬ危機に遭遇することもある。そんなときに示すケンカ腰も、やりたいことを完遂するためなら理解できる。小泉内閣の時「ガセメール事件」があった。自民党幹事長と某実業家のメールが漏えいしたとされたが、小泉総理は「それはガセだ」と即座に反応している。後日談としては「ガセとの確信はなかった。しかし真実ならいずれにせよ内閣は終わりだ。ここはガセと決めつけるべきだ」とのことである。政界裏話まで含めて、大変勉強になる会食だった。

 

*1:内閣支持最低23.1% 不支持、初の5割台―時事世論調査:時事ドットコム

*2:現実主義的政権運営の評価は - 新城彰の本棚