今月、経営・管理ビザで続々来日する中国人のことを取り上げたが、移民・難民排斥を訴える人たちにとってより大きな問題なのは「ノービザ」でやってくる人たち。日本政府がビザを免除している国はたくさんあるが、例えばトルコもその一つ。川口市や蕨市で問題となっている<クルド人のコミュニティ>は、トルコのパスポート&ノービザで入国し、居ついてしまった人が少なくないという。
以前から同じ問題に悩まされてきた米国などでは、ESTA・ETAといった制度により、ビザではないが事前登録によって入国者をスクリニングする仕組み(*1)を作っている。日本もその制度(仮称:JESTA)を導入するという話はあった。
ただその導入には5年かかると言われていて「遅いのではないか」との批判が出ていた。5年の間に、取り返しのつかないほどの不法滞在者が増えるのではとの危惧だ。

そこで、今回鈴木法務大臣は「2年前倒して実現する」と答弁した(*2)。<ヤフコメ>などでは「まだ3年かかるのか」とため息が聞こえる。そんなにかかるのは「システム開発に時間が必要」だからである。またITゼネコンにカネを撒くのかとの批判も聞こえてきそうだが、私がSIerの経営者ならこの案件は受注しないだろう。理由は、発注側のITリテラシーが低く、揉め事になりやすいから。具体的には、
・政治主導のシステムは仕様が固まりにくく、変更が多発する
・世論などの圧力で、納期が無理なくらいに縮められかねない
のようなことだ。公共・準公共分野の案件は、スタートアップ企業など一撃で葬り去るくらいのリスクがある(*3)。例えば、マイナンバーからみの各種案件、「COVID-19」対策のCOCOAなど、思いつく事例は多い。
本当は早く作り上げてほしいシステムなのだが、実現への道は険しいと思わざるを得ない。
*1:ようやくわかった「ESTAの意味」 - Cyber NINJA、只今参上