もうひとつその企業の幹部を悩ませているAI問題が、情報共有とAIエージェント。大きな企業ほど社内での情報共有には苦労していて、同じようなことに挑戦して同じように失敗するなど「右手がやっていることを左手が知っていたら・・・」と思うことは多い。そこで、
で紹介したように、社内に点在してフォーマットやID体系などを標準化していないデータでも、AIエージェントがクローリングして集めてくれるのは大変ありがたい(*1)。しかしその中には、
・個人情報
・社外秘情報
・機密情報
などは混じっている可能性がある。ある部署では機密なのだが、他の部署はそうであることを知らない、そんなデータがたまたまクローリングに引っかかったら・・・。

ではAIエージェントの方に、機密情報などを弾く機能を持たせられないか?実はAIエージェントというものも、まだ十分な「Battle Proof」を受けていないソリューションである。話す人毎に概念が多少違っているようにも思う。活用例として以前議論したのは、
AIエージェントによる個人情報保護 - 梶浦敏範【公式】ブログ
のようなケース。
・Aさんはその情報を持っているが機密性がある
・Bさんはその情報に触れてはいけないが、情報を使った判断をしなくてはいけない
時に、両者のAIエージェント同士が会話をし、Bさんのエージェントが「理由の詳細は言えませんが、選択肢としてこちらの方がいいと思われます」とBさんに言うようなことだ。問題の情報は、Aさん~Aさんのエージェント~Bさんのエージェントと渡るが、そこで止まり機密が守られる。
こんなことが可能かどうかと思っていたら、MicrosoftとGoogleが、複数のAIエージェントの連携で協力するとの記事(*2)があった。LLMモデルの選択、ベンチマークの活用、AIエージェントによる情報共有/保護というのが、ぼんやり見えてきたAIガバナンスの形なのかもしれない。
*1:標準化して整理したデータを集めたのがデータベース、そうでないものはただのデータレイク(湖)で、こちらの方が圧倒的に多い
*2:マイクロソフト、複数のAIエージェントを連携させる「Agent2Agentプロトコル」サポートへ。Google Cloudが提唱 - Publickey