少数与党故心配された今年の通常国会だが、私たちが気にしていた「能動的サイバー防御関連法」は無事成立、あと1ヵ月の会期となった今の争点は、選択的夫婦別姓と年金改革法案である。
サラリーマンは基礎年金(かつての国民年金)と厚生年金の2階建てだが、自営業者などは基礎年金だけしか受給できない。この金額では生活保護の方がマシとの意見も根強いうえに、就職氷河期世代が引退を迎える時期になると、困窮する人が続出すると想定されている。そこで、年金改革の議論で、
1)厚生年金加入者を増やす
2)厚生年金の積立金を基礎年金に回す
議論が行われた。1)は加入者だけでなく雇用している企業も同額を負担するので、せっかくの賃上げ機運に水を差すとの批判もあった。2)はサラリーマンからすれば横取りされるような気分になる。当然反対意見が多く、与党原案では1)はやるけれど2)は見送りとなっている。

これではこれからの年金受給者が救えないと、立憲民主党は2)の復活を含んだ修正案を提出した(*1)。野党の多くは類似の意見を述べているが、良く考えてみると所詮「お弁当箱の仕切り」を動かしているだけの弥縫策だ。こんな議論ばかりしているから、財務省出身者に、
とあしらわれてしまうことになる。ではどうすべきなのか?すべての市民を平等にケアし困窮者を無くすとしたら、やはりベーシックインカム(BI)の議論が必要だろう。学習院大学の鈴木教授の著書「社会保障と財政の危機*2」に試算が載っていた。
・大人に10万円/月、子供に7万円/月を給付して、予算146兆円
・生活保護、基礎年金、失業給付を廃止
・各種控除や軽減税率を廃止
・医療、介護保険への公費負担を廃止
・地方の民政事業スリム化 以上で116兆円捻出
多くの行政業務が減るので、もっと効果はあると思うが、それはさておき残りは30兆円。消費増税で賄うなら+12%ほどだ。
参議院議員選挙に向けた減税論が少し色あせてきた今、やはり社会保険料改革で、BIを打ち上げるのはどうだろうか?各党の主張に注目していきたい。