<反知性主義>をむき出しにしたトランプ2.0政権に対し、多くの大学は恭順の意を表している。反イスラエルのデモに参加した学生を勾留させたり、留学生の場合は帰国させるなどの暴挙に、学長以下大学中枢が異を唱えていない。それに対し卒業式などで、学生が暴れる事態が頻発しているという。
ベトナム戦争末期(あの「いちご白書」の頃)とは異なる学生闘争が起きているのだが、国家全体として当時ほどの盛り上がりはないような気がする。あるニュースキャスターが「SNSの書き込みなどを当局が監視していて、独裁国家のように抑圧しているのではないか」と疑っていたが、もしそうなら<米国という民主国家>は終わったようなものだ。
そんな中、最大の「抵抗勢力」はハーバード大なのかもしれない。研究助成などをカットしまくる政権に対し抗していける力の源泉は、その潤沢な資金にある。主に卒業生からの寄付と高い運用利回りからなるハーバード大学基金は、時価総額500億ドルを越えている(*1)。

ところがトランプ政権は、ハーバードを屈服させるためか、孤立主義のためか、留学生を受け入れさせない(具体的には同大の受け入れ資格を停止する)と発表した(*2)。
聞くところによると、今同大には日本からの留学生・研究者が250名ほど在籍している。米国政府は日米同盟を支える人材育成のため、霞ヶ関の若手官僚などを米国持ちで招き「会いたい人がいたら、最大限便宜を図る」と厚遇してくれたらしい。その活動の中心となったのが、同大日本センターだった。
だから日本の高級官僚や政治家に、知米派の知識人が何人もいるわけだ。そういう地道な努力が日米同盟を支えてきたのだと、改めて思う。先月知日派代表のハーバード大ナイ名誉教授が亡くなったことを受けて日米同盟が漂流していると評した(*3)が、まだ両国は世界平和のために手を携えていかなければならない。まずは、トランプ2.0政権の暴挙に抗うハーバード大学にエールを送りたい。
*1:世界の最高学府が運用する「ハーバード大学基金」とは ? ポートフォリオを解剖 ! | マネー | おすすめコラム | 大和ネクスト銀行