とどまるところを知らないトランプ2.0政権の暴挙である。先週から続くロサンゼルスでの不法移民摘発への抗議デモに対し、州兵に続き海兵隊が治安目的で派遣されることになった。確かにデモ隊の一部が暴徒化して、打ち壊しや略奪、放火などをしている。しかし本来治安機関として警察がいて、暴徒化した部分だけを取り締まるべきなのに、軍隊を投入してデモ全体を鎮圧しようとしているのだ。
トランプ政権、LA抗議デモ対応で海兵700人派遣-知事反発強める - Bloomberg
海兵隊以前に、州兵と言えど軍隊である。しかも指揮権を持つカリフォルニア州のニューカム知事は、州兵出動を要請していない。それどころか反対して頭越しに州兵を動かしたトランプ大統領を提訴した。州知事の意向を無視した、この常識的ではない州兵出動の命令は、米国が侵略されているときにのみ許されるのだという。では侵略者って、一体誰?

米国内の「分断」が高まった先には「内戦」があり得るとの危惧があった。民主党バイデン政権だった3年前には、テキサス州の共和党が分離独立を問う住民投票を要求したこともある。もし実施されていれば「2nd Civil War」になっていた可能性も指摘されていた(*1)。
今回の事態も、日本以上のGDPを持ち、カナダ以上の人口を持つカリフォルニア州の独立運動に繋がらないだろうか?私としては、無茶とも思える非常戒厳を宣言して弾劾され失職した尹大統領同様、現職中の行動について訴追されないことの例外規定で、トランプ大統領も訴追~弾劾への道に送ってほしいと思う。
それにつけても、派遣される海兵隊員(特に指揮官)にお願いしたい。貴殿らの理念は「センパー・ファイ(常に忠誠を)」であるはず。誰に忠誠を誓うかをよく考えて、決して市民に銃を向けることの無いように・・・。そしてまた、貴殿らは250年間自己変革してきた優れた組織と日本では評価されている(*2)。このような危機に対しても、変革意識を絶やさないよう、切に願いたい。