昨年の日本人の出生数が70万人を初めて切ったことで、社会には衝撃が走っている。死亡者数は160万人ほどなので、自然減が90万人を超えた。今国会後半の争点の一つとなった「年金改革」にも、大きな影響がある。厚生労働省の試算は、もっと緩やかな出生数/特殊出生率の減少を前提としていたから、より厳しい状況に置かれていることが分かった。4年後の検証で実質どうするかを決めるというのだが、もう増税不可避ではないかとの声も聞かれる。
いわゆるベビーブーム期の1949年には出生数は270万人ほどだった(*1)。それに比べると、昨年はおおむねその25%になってしまった。では先行き、国力は1/4になってしまうのか?いや、ちょっと待っていただきたい。労働力という意味では、そこまで減ってしまうわけではない。

1949年当時、新生児の平均余命は約52年だった(*2)。今は約84年である(*3)。約62%も伸びている。当時の成人年齢20歳の後の人生の長さで言うと、
・1949年新生児 約32年
・2024年新生児 約64年
ちょうど2倍になっている。在学中からの起業や、複数企業をまたがる兼業、定年廃止などがトレンドにあり、人材の有効活用という面での生産性は向上する。加えてデジタルがわかる経営層の増加や、デジタルネイティブ世代の社会的地位の向上もあって、種々の(本当の意味の)DXは進むし、AIという強力な助っ人も現れる。エッセンシャルワークを除く多くの業務で、人手不足は補えるはずだ。
今話題の米農業でも、1人で2ヘクタールを耕作していては後継者は現れないが、40ヘクタールを4人(の企業)でケアする(*4)なら十分事業になる。人手が減っても、経済を回すことはできるのだ。
*1:昨年出生数、初の70万人割れ 出生率も過去最低1.15―少子化加速止まらず・厚労省:時事ドットコム
*2:男性50.06、女性53.96
*3:男性81.09、女性87.14
*4:米高騰の中、「時給10円」を訴える米農家、1000万円以上の所得の事業者も。収益の差はどこに #生活危機(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)