今通常国会では、いろいろ積み残され(先送りされ)た問題もあったが、いくつか決着がついたこともある。そのひとつが「日本学術会議の特殊法人化」。本来「学術の知見を活用して社会課題の解決に寄与する」はずだったが、パンデミックや福島第一発電所処理水問題などに対応できず、その体制改革が求められた結果だった。しかし一部学識者らからの反発は非常に強く、高齢の学者さんたちが国会前で座り込みをする異常事態となった。
私としては、今回の特殊法人化ではまだ上記の目的を達成できないと考えているので、もう一段の改革を求めたい。具体的には、法科・政治関連が専門の構成員が多すぎるので、もっと科学技術の専門家を入れるべきだと思っている(*1)。

上記の記事では、とにかく学術研究者はすべからく特殊法人化法案に反対・・・のようなトーンなのだが本当だろうか?
その疑問に<東大新聞>が答えてくれた。東大の教員に対し、日本学術会議の特殊法人化をどう思うかのアンケートをとり、実名も含めて回答公開してくれたのだ。
東大教員は学術会議の法人化をどう見ているか ⑤新領域創成科学・情報理工学系研究科、情報学環 - 東大新聞オンライン
私の専門分野に近い、新領域創成、情報理工学、情報学環の回答は、ほぼ納得できるものだった。
・あまりよく分からない、あるから何がいいんだろう
・閉鎖性に関する批判を放置してきた。自ら本質的な改革を提案すべき
・米国科学振興協会(AAAS)に学べ。政策プロジェクトごとに政府資金も得られる
もう一つ、工学・理学・数理研究分野の教員の回答も冷静なもの。
・(ALPS処理水に関し)日本国が大変な時に役に立たない組織は無用
・これまでのように偏った考えの方の集まりではなくなるべき
・提言組織として機能不全ではないか
などとある。アンケートはそのほかにも、
・総合文化研究
・法学政治学、人文社会系、経済学、教育学
・医学、農学、大気海洋系
・その他の部局、名誉教授等
にも行われていた。各々特徴ある回答だったと思う。一部の専門家に偏らない、幅広い学術の総合的な議論ができるよう、改革を行って欲しいものだ。