20~30歳代の企業人の財布が厳しい理由の一つに、奨学金の返済が挙げられる。国立大学でも年間の学費が60万円を越えるというから、アルバイトで賄いきれず奨学金を仮り学生も多いらしい。僕の時代、学費は3.6万円(月額3,000円)だったから、15倍以上に値上がりしている。
それでもまだ日本はいい方で、国立大学のない米国では普通に1,000万円を越える学費が毎年必要らしい。もちろん奨学金制度もあるのだが最近急伸しているのが、学生向けの無担保ローンである。やはり返済に苦しむ人が多く(*1)、バイデン政権で返済免除政策が打ち出されたものの、違憲判決が出て実現されていない。
今回、このような記事を見つけた。
米大学院の留学生急増、外国人向けローン後押し-卒業後の収入見越す - Bloomberg

<Mパワー>などの金融業者が、外国からの大学院留学生を中心に貸し付けを急増させているとの内容である。無担保ではあるが、高学歴で特に理系の学生なら、将来の収入が確保できるとの狙い。留学生側も、物価高騰で仕送りが実質目減りしローンに頼らざるを得ないのかもしれない。
無担保ローンには「黒歴史」がある。日本でも、
・1970年代 消費者金融が社会問題化し、規制強化
・1990年代 上記規制対象外だった商工ローンでも問題噴出
・2008年 コシ・トラスト事件で110億円の焦げ付き
のような過去があり、やはり高金利で悲劇を招くので規制をするが抜け道がある。また金融機関側も、多額の損失を被ることがあるのだ。この留学生向けローンも金利は14~15%と法外に高い。それだけでもリスクなのに、トランプ2.0政権が大学叩き、外国人叩きを強化して、留学生の立場が不安定になっている。上記の記事では、バイデン政権時代の統計に基づくので、この商品は好調だと紹介されているのだが・・・。
学業途中で帰ってしまう学生も少なくないだろうし、米国で就職しても想定通りの報酬が得られないかもしれない。そこで気になるのが「焦げ付き」。留学生自身の困窮問題もあろうが、回収不能になって金融業界に不況がやってくる可能性もある。「金融大国米国は、留学生にも市場を見たのね」などと能天気なことを言って済むような話ではないかもしれない。
*1:4,300万人が学生ローンを抱え、内500万人が返済滞納をしている