サイバー空間は全ての地球市民に開かれた、国家の枠を超えた存在・・・が原則である。それゆえ各国の法律の相違などで、種々の問題が発生することがある。ある種の制限のあるアプリケーションを、制約が最も低い国にサーバを設置して世界中にサービスすることが可能である。これを外交や国際機関で調整しようとすると途方もない労力が要るので、自国の法律を「域外適用」することも多くなった。
このほかにも、国家がインターネットに制限を掛けることはあり得る。例えば先月始まったイスラエルのイラン攻撃に伴い、イランでは「イスラエルのサイバー攻撃に備える」としてインターネットの全面遮断を行った(*1)。種々の紛争でこのようなことがあり、昨年だけで約300件の遮断が行われたという。

日本でのインターネット制限について、先月2つの記事を見つけた。
オンラインカジノ強制遮断、年内に可否判断 総務省会議 - 日本経済新聞
オンラインカジノは日本では違法なのだが、合法のオンラインゲームなどから流れていくルートがあって、違法と知らずに手を染めるケースがいくつか報告されている。総務省の有識者会合の議論では、決済手段の阻止・意識啓発・取り締まり・アクセス抑止などを優先し全面遮断については慎重な姿勢だったと伝えられる。うがって考えると、違法とは言えオンラインカジノ自体を遮断するのは難しいから「取り締まり等」に頼るということだろう。
災害時のSNS収益化停止 偽情報対策で、法整備も検討―総務省:時事ドットコム
しかし災害時の偽情報拡散などは、もっと厳しい対処が必要だと思う。しかし現時点での議論は「SNSの収益化停止」に留まっているようだ。これはコンテンツモデレーションとしてSNS事業者が行う7段階の内、緩い方から2番目の対応である(*2)。市場取引に関して偽情報を流せば「風説の流布」という罰則があるほどなのに「投げ銭入りませんよ」程度の規制でいいのだろうか?
また災害時対応だけでなく、SNS拡散によって結果がゆがめられかねない選挙の時はどうするのか?インターネットに対する国家の制限はない方がいいに決まっているのだが「今そこにある問題」については、何らかの強制力があってもいいような気がする。