ふと見たTVニュースで、公正取引委員会の話題があった。サイバーセキュリティ業界では、公正取引委員会は少し困った存在。納入業者がサイバー攻撃を受けて事業停止し、その影響をうけて操業停止に至った例は少なくない。サプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策を考えると、取引先にも対処を求めるのは当然といえる。
しかし製造業のサプライチェーンなどを考えると、一般に納入業者は発注業者より小規模なことが多い。小規模事業者のサイバーセキュリティ対策が難しいのは、何度も紹介してきた通りだ。それでも「来年までにそれなりのサイバー対策をしてくれないと、さ来年の発注はできないよ」とやや厳しめに言えば、公取さんが出てきて「優越的地位の濫用」だと叱られてしまいかねない(*1)。

その公取さんがまた何か・・・とニュースを聞くと、発注業者が納入業者にデータ提供を強要するようなケースがないか実態調査をする(*2)という。これは意外にいい話だった。「DATA Driven Economy」の時代、データは貴重な経営資源だが、経営者がそれに気づいていないケースは少なくない。コインランドリー機のデータを易々と他社に渡していた業界の話(*3)は、1年前に紹介している。
だから本当はデータを渡す必要もないのに、渡してしまっている例はあるように思う。実態が分かって政府から注意喚起など出れば、中小企業の経営者も目覚めてくれるかもしれない。調査の結果を期待したい。公取さんを含めた政府機関には、もう一歩進めたデータ活用施策を望みたい。
10年も前になるが、国交省で「自動車関連情報の活用に関する将来ビジョン検討会」を実施してもらった(*4)。この時の議論は自動車工業会らの反対で進まなかったが、たとえば整備工場から自動車メーカーにだけ流れる整備情報の商慣習は、今どうなっているだろうか?これらのデータはメーカーだけでなく、販売業者や行政、金融機関など幅広く利用できるはず。こういうところも、是非実態調査から改善を目指してほしい。
*1:経産省・公取の共同文書(3/終) - Cyber NINJA、只今参上