梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

経営マターのサプライチェーンリスク

 1年かけて行われるGoogle社主催の「Japan Cybersecurity Initiative」、年内に3回のテーマ別分科会を開催することになっていて、6月の「国民の意識高揚*1」に続いて先日第二回が開催された。テーマは「経営者が取り組むべきサイバーセキュリティ」。渋谷ストリームのリアル会場には、座長の慶應村井教授ら12名が集まった。

 

 大手企業では「サイバーセキュリティは経営課題」との意識が浸透し始めているのだが、中小企業や地方ではまだ経営者が気付いていない(気付いていても行動しない)状況がある。そこで、シンクタンクの研究者だけでなく、業界団体SC3(*2)や経団連でこの種の議論に参加した経験のある私に、短いプレゼンの依頼があった。しかし当日は都合がつかず、オンライン参加とさせてもらった。

 

会議の様子、ビデオ画面にいるのが私

 私から申し上げたのは、

・中小企業対策強化とサプライチェーンセキュリティを混同しない

・中小企業対策強化は、業界団体の垂直・地域団体の水平・特殊なピンポイントの3点

サプライチェーンも、製造業の垂直統合型・ネット経済の水平分業型があり、いずれも寡占リスクがある

・全部のリスク対応はできないので、サプライチェーン見える化をして、致命的なケースを掘り起こす

・結局は経営者の「見切り」とサプライチェーン中の主要な企業経営者間のひざ詰め交渉

 

 ということ。自社内だけでなく、真の経営者はサプライチェーン全体のリスクも管理すべきだし、この話は発注側購買部門と受注側営業部門では決着しない。

 

 その後多方面の識者から、各々の立場・経験からの質問、意見、直言が相次いだ。私には「地域社会に働きかけるキーポイントは何か」との質問があったので、

 

「その地域に影響力のある人(ドン)を探し、味方につけること」

 

 と申し上げた。少々ぶっちゃけすぎだったかもしれない。安全保障環境が厳しい中、自衛隊を活かすにはとの議論もあり、

 

「警察や防衛省自衛隊と官民連携ができるかがポイント*3」

 

 と意見を述べた。分科会も残り1回、次はなんとかリアル参加したい。オンラインでは場の雰囲気が感じにくいので。

 

*1:市民のサイバーセキュリティ意識高揚 - 梶浦敏範【公式】ブログ

*2:サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)

*3:対サイバー犯罪の官民連携とは(1) - 梶浦敏範【公式】ブログ