先月中国事情を教えてくれた友人は「中国人は日本が大好き。日本で不動産や会社を買っているのも、基本は好きだから」と言っていた。私も「中国政府による日本侵略」とは思っていない。ビジネスマンとしての中国人は、抜け目がないところはあるが、彼らに「反日」含めた思想的な悪意を感じることはない。ただ私は、共産党の覇権主義的な考えとデジタル技術を使った統制は、到底受け入れられない。
先日「ネタニヤフ政権を憎んでも、イスラエルを嫌いにならないで」と申し上げたのだが、その考えは中国についても当てはまる。中国共産党一党支配のやり方が問題なのだ。中国人の中にも同じように思い、支配の重圧から逃げ出したい人(特に富裕層)は少なくない。だから日本にやってくる。ただ日本にも問題はあって、相続税が高すぎる。資産家は、おちおち日本で死ねないわけ。

日本以外の国はというと「明るい共産国家」とも言われるシンガポールが魅力的だろう。もともと華僑が経済を握っていて、人的交流も多い。規範が厳しいことはあるが、訳も知らされず勾留され行方不明になってしまうことはさすがにない。だからだろう、この1年間にシンガポールに中国料理店(日本でいうガチ中華の店)が急増したという。
今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
中国人富裕層の動向を推測するに、まずカネを少しずつ逃がす。生活や仕事の拠点を整備して移住をする。家族を連れてくる・・・で、次に必要なのは本国にいた時と同じようなものを食べさせてくれる店というわけ。
今年シンガポールの経済事情を見に行った時「日本企業が出資契約などをまとめるのに非常に時間がかかる、他の国は一度の会合で多額の出資を決める」と批判された(*1)。これも、中国資本の場合「急いでカネを逃避させよう」と思っているなら、当然のことだったかもしれない。
「ヒト・モノ・カネ」が巨大だけれど息の詰まる共産国家から、小さくてもキラリと光る明るい共産国家に流れてくるのは、必然と言えるだろう。