私の所属するシンクタンクは、サイバーセキュリティを経営視点で論ずるのが主任務だが、目玉企画の一つとして「内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)のオーラルヒストリー」を公開している。NISCは前史を含めれば20余年の歴史がある機関だが、一般の人が知る機会は少ない。
昨今のランサムウェアやDDoS攻撃の跳梁を見れば、その存在を多くの人が知って理解してくれることは必要だと思う。そこで数年にわたりその歴史を、生き証人の話として後世に残すことにしてきた。最新のものが下記である。
When-and-Why-Did-Cybersecurity-Become-National-Security-Policy-2.pdf

この研究は、東海大学三角研究室と共同で行ってきたもの。聞き手は、自身NISC勤務も長く副センター長まで務められた、三角教授にお願いした。レポートを読んでいただければ、この組織が日本の(サイバー空間での)守り神だったことに気付かれると思う。
この共同研究が大団円を迎えつつある今、驚き、嬉しいニュースが入ってきた。三角教授が今月からデジタル庁のデジタル監(事務方TOP)に就かれる(*1)というのだ。デジタル庁は電子政府を始めとして、日本社会全体をDXするミッションを持っている。いわば日本のCIO組織だ。しかしDXすればサイバーリスクが増すのは自明のこと、そこで「DX with Security」が重要になる。
電子政府/自治体システムに限定しても、これらは有事の際攻撃を受けやすい、<重要インフラ>である。そのセキュリティ耐性が低くていいはずがない。しかも国家をバックにした非常に巧妙な攻撃者が(AI活用などもして)、苛烈な攻撃をかけてくる公算がある。
日本社会全体を、少なくとも政府機関の安全なDXを進めるには、最適な人材登用だったと確信している。三角教授、いやデジタル監の今後の活躍に、大いに期待する次第である。