この日は夕方から大手町のビルの一角にある、ユニークな場所にやってきた。ある商社さんが運営している「Open Innovation拠点」である。集まってきたのは、業種もまちまちの大手企業のCISOさんたち。このところ相次ぐ企業へのサイバー攻撃で、関連会社が直接被害を受けてると言う人もいた。
そんな忙しい人たちが集まった理由は、不定期に開かれるCISOさんたちの連絡会議だから。草の根的に集まって、フランクな意見交換や新しい知見を得ようというのが目的。今回は「Open Innovation」を議論しようというのがテーマ。
凝った造りで気分を盛り上げ議論を戦わせる部屋や、落ち着いた雰囲気でじっくり構想を練る部屋が用意されているという。20以上の大手企業が参加していて、小組織でも、個人でもここにきて他社との連携を探ることができる。

「ちいまま」と自称する女性コーディネーターが常駐していて、悩みを聞いてあげたり力を貸してくれそうな企業・団体との仲を取り持っているという。直接ビジネスに結びつく話ではないのに、情報を流通させるのが得意な総合商社の能力を十分に生かした取り組みで敬服した。
私自身、20余年前に企業内の新事業を支援する仕事をしていて、プロパー社員だけではできないと判断し、
・日銀、霞ヶ関からの出向者
・総合商社との交換人事
・海外通信社、商社等からの中途入社組
と一緒に、新事業の熱意溢れる(けど、ちょっと何かが足りない)人を支えていた。当該組織としては、プロパーを半分程度に抑えたいと思っていたのだが、一番助けられたのが商社出身の人たちだった。
「ちいまま」さんも熱意に溢れる人で、イノベーションを興したい人を何とか支えたいと熱く語ってくれた。いつもサイバーセキュリティなどという辛気臭いもの(失礼)に直面しているCISOさんたちも、ひと時明るい話が聴けて満足そうだった。ただ、蛇足とは思ったのだが、
「熱意に溢れる人は貴重だが、時に暴走することもある。ブレーキを踏むのが必要な場面もあるので、そこも含めてケアしてあげてください」
と申し上げた。私自身、とても楽しめた会合だった。