<Telegram>というSNSは、秘匿性が高く犯罪にも多く利用されているという。それには及ばないが、SNS界の巨人<X>も、決して情報公開に前向きとは言えない。不当な投稿(要するに偽情報)に対処する「コンテンツモデレーション」にも、あまり積極的ではなかった(*1)。
ところが先月、<X>のプロダクト責任者であるニキータ・ビア氏が「健全性を確保する第一歩」として、新機能をリリースした。それはアカウントの所在位置を確認出来るようにしたこと。
MAGAなのに米国拠点じゃない? Xの「アカウントの所在地」表示機能で成り済ましあらわに:時事ドットコム

これによって、ある種の主張をしている者がどこからそれを発信しているか、おおむね見当がつくようになった。上記の記事では、MAGAの主張をしている投稿の相当部分が、ナイジェリア・バングラデッシュ・東欧などからのものだと分かったという。「トランプ氏を支持する米国人女性」と名乗っていても、発信地はタイやミャンマーからだったともある。
米国の世論を動かしていたのは、こういった国からの発信もあったわけだ。特に後者は、今組織犯罪で多数の国から集められた人が、監禁されて特殊詐欺などに従事させられているエリアである(*2)。どこかの国が当該組織にカネを出して、世論操作を大規模に行わせていた可能性を排除できない。
匿名ゆえ気軽に情報発信できる良い面と、匿名ゆえ深い闇を作ってしまう悪い面がSNSにはあり、悪い面の改善のためには匿名性を制限する必要がある。今回<X>が「健全性への一歩」として、アカウントの所在地表示機能をつけてくれたことは、よい傾向である。これをどこまで進めるのか?今後の議論に注目したい。