先週、オーストラリアで16歳未満の少年少女が、SNSを使うことが禁止された。SNSの禁止措置は昨年から多くの議論があり、実際に規制されたこともある(*1)。多くは政治的な意図で、政権に都合の良くない情報の拡散防止や、反政府勢力の連帯を弱めるためである。典型的なのが、今年9月のネパールの騒動(*2)。はびこる腐敗などに怒ったZ世代が、暴動を起こして政府のSNS禁止令を撤回させた。代償として19名もの命が失われたのだが・・・。
一方、青少年への悪影響を懸念してSNS利用に年齢制限を設けようという動きもある。オーストラリアで昨年から議論されていたのだが、ついに今月10日に禁止令が施行された。
豪の子供、SNS禁止逃れ模索 対象拡大で「いたちごっこ」か:時事ドットコム

オーストラリアでは、10~15歳の子供の96%がSNSを利用している。問題とされたのは、学業への影響のほか、
・7割の子供が、暴力的、性的、自殺ほう助などの危険なコンテンツにさらされている
・5割の子供が、ネット上でのいじめを受けた経験がある
・1割強の子供が、成人等から性的にてなずけるアプローチを受けている
こと。「○○は××歳になってから」という規制対象として、お酒・タバコ・ピンク映像に加えて、SNSも揚げられたというわけだ。
ただ、全てのSNSが禁止されたわけではない。上記の記事では、3種類のSNSを運営しているビッグテック企業<Meta>は、政府の規制を受けてアカウントの年齢確認を始めたとある。しかし禁止措置から除外されているSNSもあって、ユーザがそちらに流れているようだ。
政府が認識している問題点はあるものの、益のあるSNSの使い方もあるはずだ。
・親が(一時期離れている)子供とコミュニケーションする
・教師やボランティア活動等の指導者が、個別指導する
・子供たちが自発的に、学習や各種体験を共有する
しかし、この禁止措置をほとんどの親世代は歓迎しているという。15歳までに得られる協調や仮想空間での体験より、上記のリスクの方が大きいという判断ということだろう。