もうトランプ2.0政権に対して信頼を持つことは、できなくなったと実感する。就任以来1年ほどアメリカ・ファーストを掲げて、
・欧州は信用せず、ロシア対応は丸投げ
・イスラエルに肩入れしてイラン関係組織を弾圧
などの暴挙を続けている。国連や国際援助団体への拠出を減らし、気候変動対策は撤回し、大学弾圧などの反知性主義を振りかざした。底流にあるのは、リベラルなエリートたちへの徹底的な反感である。この点には、賛同する米国市民も少なくない。
経済面で放った「関税砲」は、思ったほど暴れまわらなかった。最大の競争相手中国とは「ディール」してしまったからだ。その一方、軍事面での破天荒さは際立っている。国内でも民主党首長のいる主要都市に州兵を派遣、ある種の威圧(弾圧?)を行った。海外では、正面装備では世界最強の米軍を使って、もっとやりたい放題である。

その最たることが、年明け早々に起きた。ベネズエラのマドゥロ大統領夫妻を拘束し、米国法廷に立たせるという暴挙である。数カ月かけたという作戦やデルタフォースを使う奇襲・拉致戦術は見事なものだったが、独立国の元首を当該国に手を伸ばして捕えるというのは、戦略的にあってはならないことだと思う。
これだけでも許せないのに、こんな報道があった。
マドゥロ氏拘束で41万ドルの利益、謎のトレーダーが予測市場で賭け | ロイター
なんでも賭け材料にする人たちはいて、マドゥロ大統領が2月までに捕まるかという賭けがあり、米軍の作戦直前に掛けた者が巨額のゲインを得たという報道だ。別の記事には、中東特使のウィトコフ氏(元々不動産業の富豪)の名前もあった。
米軍の作戦内容が期日を含めて漏れていたとの疑惑で、普通ならまさかと思うのだが、ほぼ1年前に同様の漏えいはあった。3月のフーシ派攻撃の作戦やリアルタイムの状況が<Atlantic誌>にすっぱ抜かれた件(*1)だ。基礎的な機密情報管理すらできていないと思われる。
コロンビアやキューバを脅し、グリーンランドもよこせというトランプ大統領発言の陰で、汚い手段でカネを稼いでいる輩がいる・・・。これでは、中国習政権の(少なくとも表面では)努力が見える腐敗防止に到底及ばない堕落振りと言えるだろう。
PS:その後の報道だが、議会には攻撃を事前に知らせなかったが、石油会社には事前に事後にも連絡しているとトランプ大統領は語っている。