梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

お、あいつは覆面捜査官だぞ!

 トランプ2.0政権の移民排斥政策はかなり苛烈、ICEという専門捜査機関が移民と思しき人を捕え、不法移民だと分かればもちろん、怪しいと言うだけでも排除(強制送還)するという。もともとほぼ全員が移民かその子孫である国で、強権を振るうICEに対する風当たりは強い。

 

 移民たちからは嫌われ、恐れられているので、身分を隠して捜査(人狩り)することも多い。そうなると狩られる側は、その存在や場所、行動様式を知りたがる。そんな希望を叶えてくれるアプリがあるとは、この報道があるまで知らなかった。

 

米アップル、移民捜査官追跡アプリを削除 トランプ政権が圧力 | ロイター

 

 すでに昨夏の時点で、<ICEBlock>は人気アプリのベスト3に入っていたというから驚きである。ICEと思しき人を見かけたら、データとして入力し情報を共有することができるというもの。

 

        

 

 その存在を知った当局は、アプリを拡販させないよう(この記事ではAppleに)圧力をかけたという。捜査官が危険にさらされるという主張だが、そもそも(合法移民も含めて)危険にさらしているのはどちらだと言いたい。「上に政策あれば、下に対策あり」の典型例だが、スマホアプリがすぐに出てきてしまうのが、デジタル社会ゆえ。

 

 捜査官に関するデータをこんなツールで見ると、「お、あいつは覆面捜査官だぞ。ヤバいから目立たないように逃げろ」となるかもしれない。

 

グーグル、初の「Gemini」搭載AIグラスを来年投入-メタに対抗へ - Bloomberg

 

 そこまで行かなくても、位置情報等を握られた覆面捜査官を誰かが写真に撮って、共有アプリに流す。それを見た犯罪者たちが、逃げるだけならいいけれど反撃に転じて亡き者にしようとするかもしれない。いや、ひょっとしたらもう<闇Web>では覆面捜査官情報が売られているかも・・・。

 

 この問題は、捜査機関側からすればアプリストアから当該アプリを消す・・・くらいでは安心できない。サイバー空間での捜査当局対犯罪組織(or移民支援組織)の闘いになりそうだ。