梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

電力と水を喰う迷惑施設なのか

 AIブームを支えているのは、各地で建設が進むデータセンターである。AIは確かに便利だが、成長を続けるNVIDIAの専用チップなどは大量のエネルギーを喰う。ある調査では、AI(専用チップ)は人間に比べて、1,000倍のエネルギーを要しCO2も相応に排出(人間はほぼゼロ)するという(*1)。

 

 データセンターの建設には反対運動も多くて、

 

・駅前の一等地に立ち入り禁止の巨大施設ができる

・見知らぬ人も出入りするし騒音も困る

 

 などという理由の他、電力を奪われるのではとの危惧も聞かれる。私自身も、局地的な駅前データセンター問題ではなく、AI(用データセンター)と人間が少ない電力を奪い合う未来は見たくないと、課題はありながら原子力発電を進めざるを得ないと思っている。

 

熱海では梅が咲き始めた

 今回電力以外にも、データセンターが水資源を(大量に)使うとの記事が出た。

 

米国のAIブーム、想定外の「水資源」問題に直面 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

 重要インフラは数あれど、市民の生死に直結するのは電力と水(*2)だと思う。どうやらAI用データセンターは、人類からこの2つを奪いかねない存在ともみられているようだ。

 

 それでなくても、世界中で水資源の貴重さは増している。20世紀は石油を巡る戦争の世紀だったが、21世紀は水資源を巡る戦争が起きるとの説もある。世界博学倶楽部の2009年のレポートでは「2025年には、80億人の人口の2/3が渇水に苦しむ」との予測(*3)が出ていた。

 

 幸いにしてこの予測通りになってはいないが、渇水で苦しむ人がいないわけではなく、その割合は増えることが予想される。その問題を、AI用データセンターが後押しする可能性は否定できない。おそらく大部分の水は設備冷却用につかわれているのだろうが、他にも寒冷地に設置したり空冷にした利という策はあるはず。技術開発は、水資源を護るためにも行っていてくれると信じたい。

 

*1:安定した電力供給に向けて - 梶浦敏範【公式】ブログ

*2:シン重要インフラのトラブル - 梶浦敏範【公式】ブログ

*3:国際紛争の根底にあるのはコレ - 新城彰の本棚