先月開催されたWEFの会合、通称「ダボス会議」には6年ぶりにトランプ大統領もやってきて、勝手なことを言い放って帰った。それよりも私が注目したのは、戦争データヲタクであるアレックス・カープ氏の講演。彼の(AI)データ企業<Palantir*1>は、米軍の戦術級インテリジェンスの屋台骨を担っていて、恐るべきデータや経験の蓄積を持っていると思われる。
米国内で不評のICE(移民・関税執行局)捜査官を、移民側が検知するアプリがあることを以前紹介(*2)したが、実はICE側も移民の状況を監視して襲撃タイミングを図るアプリ「ELITE」を使っていて、これも同社が供給している。徐々に戦場~治安~ビジネス領域に市場を広げていくのだろうと思っていたが、それを裏付けるようなカープ氏のダボスでの講演だった。

パランティアCEO ダボス会議で発言、AIにより「管理職が職を失い、技能職が職を得る」 戦場で学習したAIがビジネスに適用可能、LLMとデータをつなぐソフトウェアの重要性も指摘|ビジネス+IT
講演テーマは「戦場で証明されたAI」で、戦場で革命を起こした実績を積んだAIが、ビジネス界に適用できると主張している。
・軍事技術はビジネスに「1対1」で対応
・ビジネスへの劇的インパクト
- 特定分野で最大80%の効率化
- 従来1年かかった導入が1週間で
・価値が高い新たな技術系労働者が登場
・真に強靭な国家とそうでない国家の差を拡大
彼が示したように、戦場は「Fog of War」という言葉に象徴されるように、状況がグレーである過酷な環境である。そこで機能した技術は、何よりも堅牢なものと言える。それをビジネスの世界にすれば、従来のAIシステム(*3)とは比較にならない効果を上げるとの主張である。<Palantir>が戦場の改革から、社会構造・経済構造・国家運営にまで手を伸ばすとの宣言だったと思われる。
*1:戦場のインテリジェンスサービス - 梶浦敏範【公式】ブログ
*2:お、あいつは覆面捜査官だぞ! - 梶浦敏範【公式】ブログ
*3:状況(周辺データ)が揺らぐと、従来AIは最初からやり直す必要も出てくる