AIブームで各所にデータセンターが設置され、AI能力を供給できるようになったのはいいのだが、データセンターが増えて水や電力を使いすぎるとの批判も増えてきた。人とAIが電力だけでなく(21世紀には渇水に悩む人が増えるとの予測の中で)水も奪い合うというのは、悩ましい事態(*1)である。
この問題について、先月新しい動きがあった。トランプ大統領が、
「テック企業のために米国市民が高い電力料金を払うことを、私は望まない」
と発言したことを受けて、Microsoftが「自社の電力使用コストを十分に賄える料金を支払う」と発表した(*2)。他のテック企業も追随するかもしれない。

またトランプ大統領の「思い付きで支持率維持を狙ったこと」かと思ったのだが、そもそもデータセンターと電力会社が特別な契約を結んで電力供給を優遇されているケースがあるようだ。データセンターの近隣住民の家庭で、電力料金が267%もハネ上がっていると、ある調査が伝えている(*3)。
一昨年から、AI兵器を禁止したり、AIに課税をするなどの議論が進んでいる。前者については、国連が禁止条項を決める前にすでに世界中で使われ始めてしまい、規制は難しそうだ。しかし後者については、AIが電力を大量に必要とすることから、その使用電力料金に上乗せする形での「課税」はできるかもしれない。具体的には、上記のようにデータセンターで使用する電力料金への追加税負担を求めることだ。
以前から「AI禁止や課税を議論するなら、ちゃんとしたAIの定義が必要」と主張してきたが、「いずれITシステムは全部AIになるので、新しい定義は要りません」との反論もあった(*4)。AI課税については、非AI需要も含めてデータセンター電力課税という形で決着するのかもしれない。
*1:電力と水を喰う迷惑施設なのか - 梶浦敏範【公式】ブログ
*2:マイクロソフト「電力コストを自社負担」表明に、他社も追随か。AIデータセンターの「電気料金タダ乗り」は許されないと専門家 | Business Insider Japan