昨年末、カリフォルニアで市街の1/3が停電するという大規模障害が起きた。これは変圧器(変電所?)の火災が原因と言われているが、ニュースで取り上げられたのは<ウェイモ>が運営する無人タクシーが止まった事案である。
アングル:無人タクシー「災害時どうなる」、カリフォルニア州停電で見えた課題 | ロイター
イーロン・マスク氏は、Googleと同系列のこの無人タクシーを「信号を判別して運行するタイプで、信号が消えたらどうするのか」と批判していた。今回、確かにそのような状況になったわけだ。その答えは「停止する」だった。信号が点灯しなくても、運行を続ける方法はある。

・カメラなどのセンサーを使って、安全を確認しながら走行する
・クラウドセンター等から、人間が遠隔操縦で運行する
ただ、今回は大規模停電だったので、遠隔操縦のための通信なども途絶した可能性がある。現在の都市はほぼすべてのものが電力によって動いていて、大規模停電は事実上すべての機能を奪うのだ。巷のWiFiはもちろん、通信基地局すら数時間のバックアップ電源しか備えていない。そんな状況では、動かないのが一番である。
ロイターの記事は、無人タクシーが大規模災害の時にどうなるのかという疑問を投げかけている。しかし災害というのも程度問題だ。全ての社会システムは、機能維持のために、
・通常稼働することができる状況
・縮退運用せざるを得ない状況
までを想定し、想定外については停止することもやむを得ない、もしくは積極的に停止するように設計されている。記事(やマスク氏)は、ウェイモのコンセプトを技術的未熟と言いたいようだが、それは違う。想定外はあくまで想定外なので、今回の経験でこのような状況を想定して対応するかどうかを、事業的もしくは社会的に検討すればいいと思う。けっして技術の問題ではない。
識者によるとマスク氏の<テスラ>製自動運転車は、どうしても事故が避けられなくなったときは自らの操縦をあきらめ、人間の運転手に判断を委ねるという。それよりは「想定外なら止まる」を選ぶ考え方は真っ当だと思うのだが。