先月、中国で詐欺の容疑で有罪となった11名が一斉に処刑された。死刑は昨年9月に確定していて、わずか4ヵ月後の執行だった。この11名、中国とミャンマーの国境地帯に跳梁するいくつかの犯罪組織(ミン)一族のメンバーだったという。
【解説】 中国、詐欺組織の一族11人の死刑執行 なぜ急いだのか - BBCニュース
中国はイランと並んで死刑執行が多い国で、どちらも実態は外国からは知るすべがない。「死刑執行数1位と2位」がどちらなのかは、誰にも分からないわけ。それでも11名同時執行というのは異常事態と思ったのだが、その罪状を上記の記事で読むとやむを得ないかなとも感じた。その凶悪振りは、日本人では想像ができないほどである。

この集団は、内戦続くミャンマーの中国国境に近い(どの政府のガバナンスも効いていない)ところを拠点にしている。同じように紛争地帯であるタイとカンボジア国境にも犯罪集団が巣食い、オレオレ詐欺などの拠点となっている。各国から報酬につられたり、騙されたり、拉致されたりして連れて来られた人たちが犯罪を強制されているともいう。
私たちサイバーセキュリティの関係者にとっての問題はここからで、政府のガバナンスが効かないエリアでもインターネットは繋がっている。犯罪組織もDXをしていて、凶悪さはそのままにネット上で犯罪を躊躇なく行う(*1)。日本国内のように治安がいいところにいても、インターネットに足を踏み入れたら、そこは無法地帯と考えなくてはいけない。
その結果、サイバー犯罪者が組織化したのか、犯罪組織がDXしたのかは別にして、日本企業の被害が急増している(*2)のである。日本の警察組織も警察庁サイバー局設置以降徐々に実績を積んではいるが、それを上回る勢いで犯罪組織も力を伸ばしている。改めて、インターネットの向こう側は無法地帯との認識を、個人も企業ももってほしいと思う。
*2:急増する企業へのサイバー攻撃…組織化が進む「サイバー犯罪」の「ぞっとする構造」(週刊現代) - 2ページ目 | マネー現代 | 講談社