梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

セキュリティ投資・人員数の目安値

 私の所属するシンクタンクでは、3年前に「DXに積極的な企業なら、セキュリティ投資は売り上げの0.5%、要員は全従業員の0.5%を確保すべし」とするレポートを世に問うている。当時、多くの企業がサイバーセキュリティ対策を進めたいと思いながら、予算や人員の壁に悩まされていたことから、CISOやセキュリティ部門の背中を押す意識もあってまとめたものだ。

 

 このレポートは日経誌に何度も取り上げられるなど、それなりの評価を得た。しかし「一律に0.5%ではないだろう、業種や企業規模によっても異なってくるはず」との指摘はあった。そこで今回は、業種と企業規模別に6分類した「目安値」を発表することにした。

 

 類似のものでは、ガートナー、ENISA、JUASらの調査があり、これらを読み込んだうえで仮説を立て、実際の企業CISOにインタビューして検証する形でレポートをまとめている。

 

発表シンポジウムの一コマ

 前回と異なるのは、前回が「DXのための目標値」だったのに対し、今回は「標準的な当該業種の目安値」であること。大企業ではある程度予算も人員も充足してきているが、今の立ち位置がどうなのかを見るための数値だから「目安値」なのだ。

 

 今月Webサイトで公開(*1)するとともに、メディアでも紹介してもらい(*2)、今月は発表記念のシンポジウムも開催した。IPAの齊藤理事長に基調講演をお願いし、非会員企業も含めて80名を招待した場で、執筆した研究員・指導した上席研究員らが内容を披露し、実際にインタビューを受けてくれたCISO(相当)の方5名に登壇してもらうパネルディスカッションを司会した。

 

 チャタムハウスルールで運営したので、登壇者だけでなく聴衆からも積極的な意見や質問が飛び、現場の生の声をぶつけ合ってもらえた。本レポートの内容やシンポジウムの模様などについては、来週から毎木曜日に連載する形でご紹介したい。

 

*1:Security-Investment-and-Staffing-Levels-by-Company-Size-and-Industry.pdf

*2:サイバー投資、中堅は売上高の0.3%目安 民間団体提言 - 日経デジタルガバナンス

  JCICがセキュリティー投資額の業種別目安を公表、製造業は売上高の0.2% | 日経クロステック(xTECH)