梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

西側社会を揺るがすエプスティーン問題

 日本にいるとどうしても疎くなるのが、未成年者保護の問題。別に「子供は天使のようだ」というわけではないのだが、欧米では未成年者に対する犯罪はそれ自体が重罪という感覚がある。オーストラリアが口火を切りスペインが続いた「16歳以下のSNS禁止」には、英仏両国も追随する構えだ。これも米国のビッグテックいじめというより、未成年者への悪影響を重視してのことらしい。

 

 未成年者への性的搾取として、一大事件になっているのが自らの島に<エリート向けのハーレム>を作っていたとされる実業家エプスティーン容疑者が起こしたこと。トランプ2.0政権が重い腰を上げて大量の文書を(墨ぬりながら)公開したことで、各界に衝撃が走っている。

 

    

 

・ビル・ゲイツ氏、AIサミット基調講演を辞退

・ゴールドマン・サックス社の幹部ルームラー氏辞任

・ドバイの港湾大手DPワールドのスレイエムCEO辞任

・ホテルチェーン大手ハイアットのプリツカー執行会長退任

 

 が発表され、日本でも千葉工業大学の伊藤学長が(MIT時代に容疑者から多額の寄付を受けていて親交があったとされて)釈明に追われている。彼らは少女買春をしたか、それを黙認したとされて社会的制裁を受けているのだ。

 

 なかでも、英国の元王子アンドリュー氏には容疑者に機密情報を漏えいした容疑までが加わり、一旦逮捕されて現在保釈中である。

 

英国王の弟アンドルー元王子逮捕 エプスタイン氏に情報漏えいか:時事ドットコム

 

 容疑者には、西側社会の要人を取り込んで国家機密を手に入れ、それをロシアなどに渡していた疑惑が浮上した。この疑惑は、それまでのものとは違った次元の問題である。容疑者は収監された後死亡しており、当人に真偽を確かめることもできない。以前から暗殺されたのではとの噂もあったが、もし機密漏えいが絡んでいた場合有力な暗殺の動機となり得る。

 

 <エリート向けのハーレム>の背徳性は、ハニートラップとよく似ている。手口からして、敵の中枢にスパイを作り上げる手法と酷似している。エリートたちへの反感が、西側各国のポピュリズムを後押ししている今、この問題の行方は各国の根幹を揺るがす可能性が高まった。少なくとも、日本だけはそうならないと信じているのだが・・・。