先月末、UAE(アラブ首長国連邦)が、OPEC/OPEC+から脱退すると報じられた。かねて原油増産のための投資を重ねていて、OPEC加盟国の中でも最も低コストで原油を生産出来るし、さらにコスト低減も可能な国として知られている。
UAEが5月1日にOPEC脱退へ、かねて生産拡大に投資 - BBCニュース
<BBC>は、中東紛争が収束すれば世界の原油需要は高まり、UAEはコスト面での競争優位性を発揮できると見ての脱退だと述べている。平たく言えば、談合団体であるOPECの「終わりの始まり」である。
しかしUAEは、ドバイを中心に世界の富裕層を集め、中東の金融センターとしてのし上がってきたはず。原油依存経済から脱却しようとしていたのではないか?

無論、中東紛争によって安全性が保てず、富裕層も金融機関も一部で逃げ出し始めている。しかし、これも長い目で見たら紛争が収束するまで辛抱すればいいだけのこと。ある記事では、空の便に注目していて、
・シベリア上空を西側各国のフライトは飛べなくなっている
・例えば日欧便は、ドバイ経由が多くなった
・それが今中東紛争で危険になって、第二のドバイを探している
という(*1)。その記事が第二のドバイとして候補に挙げているのが、南コーカサスのアルメニアやジョージアである。日欧間の空の便に関しては確かにそうだが、少なくとも金融センターはロシアの侵攻があり得るそんなところには行かないだろう。そしてもう一つ、金融センターにはデータ流通量(国際帯域ともいう)が大きなことが求められる。調べてみると、
・UAE 20~30Tbps
・ジョージア、アルメニア 1Tbps未満
と比較にならない。ただUAEのデータ流通量は、ほぼ全てホルムズ海峡の海底ケーブル経由だ。もしここのケーブルが破壊されれば・・・とみてドバイの次の金融センターを考えるなら、
・サウジアラビアの紅海側 10Tbps
・エジプト 20~30Tbps
・ギリシャ 最大10Tbps
・インド 数十Tbps
らが候補に挙がる。ドバイの原油回帰も、海底ケーブルに何かあって金融センターとして機能しなくなるリスクをヘッジするためのものかもしれない。