SF小説は、マイクル・クライトンという作家の登場あたりから、
Science Fiction ⇒ Science Fact
に替わってきた。日本語訳だと「空想科学小説から近未来科学小説に替わった」と言ってもいいかもしれない。そしてさらに「近未来」の言葉も消えるかもしれない。そんなことを感じさせる記事があった。
MIT Tech Review: AIが教えるロボット新技能 二足歩行で走る、跳ぶ「キャシー」 (technologyreview.jp)
まだ下半身だけしかないのだが、AI制御で二足歩行し、悪路でも走行できるロボットの登場である。400mを2分34秒で走り、走り幅跳びでは1.4mを跳ぶ。
400m走 43秒03
走り幅跳び 8.35m
が人間の世界記録だから、走力で3.6倍、跳躍力で6倍に性能向上させれば、人間を抜くことができる。
二足歩行は、大変難しい技術である。大学院時代に隣の研究室で研究していたので、時々ゼミに顔を出して「うわ、これってどのくらいの計算能力がいるのだろう」と無謀な研究だと思っていた。もちろんあれから45年が経ち、使える計算能力は9~10ケタほど増えたと推定される。当時の空想(に近い研究)が実現するのだ。
3年ほど前に、米国警察が<デジドッグ>という4足歩行モデルを警察犬として導入しようとして失敗したこと(*1)を紹介した。今回の<キャシー>の足回りは、それに似ている。まだ膝を伸ばした、本当の意味の直立歩行はできないようだ。
今月で横浜山下ふ頭の「ガンダム・ファクトリー」は閉演すると聞く。この記事の技術を使えば、走り・跳ぶガンダムが見られるかもしれない。でもそれは、戦場のことではないように祈るが・・・。