今月、別ブログで紹介したように、大学時代の友人の墓参りに山口県萩市まで行ってきた。なるべくバラエティ豊かな交通機関を利用しようと、
に乗る計画を立てた(*1)。印象に残ったのは、かつて国鉄山陰本線と称していた東萩~益田の区間。1両だけのワンマンディーゼル車が、2時間に1本ほどの頻度でやってくる。
街全体が世界遺産で、海外からの観光客も多い萩市には、3つのJR駅がある。旧市街を囲むように、西に玉江駅、南に萩駅、東に東萩駅である。この中では東萩駅がもっとも便利なところで、特急も停車する。しかし、全てが無人駅だ。
東萩駅から益田駅までは、所要1時間あまり。全線単線で非電化区間だ。乗客も数人乗降しただけ、終点益田駅で降りたのは、2人だけだった。益田駅は山口線が分かれる乗換駅、もちろん特急列車も停まる。しかし、ここも無人駅だった。構内にはお土産物屋も兼ねたコンビニがあるだけ。
JR西日本の中でも、大都市圏や瀬戸内沿いを除けば、多くの路線がこのような状況にある。むしろ日に2~3本でも、特急が停まるのなら立派な駅である。例えば、広島と備中神代を結ぶ芸備線では、一部区間の廃止が議論されている。
JR芸備線の備中神代―備後庄原、存廃を沿線自治体と協議会を10月に申請…JR西日本 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
もちろん自治体や住民は残して欲しいと思っているが、13人/日の乗車しかない区間であれば、インフラとはいえ事業は成り立たない。代行バスでも利益を出せるインフラには成りようがないので、マッチングアプリを使ったオンデマンド輸送サービスで対処するか、住民の方に転居してもらうしかないように思う。
翌日、早めに萩・石見空港にやってきた。ここからはANAの羽田行きが、1日2便運行してくれている。開港30周年というから、バブル期の計画・着工だったのだろう。小型機だったが、1/4くらいしか座席が埋まらなかった。サイバーセキュリティ議論の中で「大手町・霞ヶ関の意識はNG」と言われたことを思い出し、地方の公共交通のことも現地に足を運んで考えないといけないと思った次第である。