昨年の車両盗難件数が公表されて、被害の第一位はランドクルーザー(450件)だという。以下、プリウス(282件)、アルファード(184件)となっていて、この3年間被害上位10車種が、いずれもトヨタ&レクサスなのだという。
車両盗難被害の2位はプリウス、1位は…。最新の盗難手口に対抗するカーセキュリティ(&GP) - Yahoo!ニュース
これらの車種は高価であることは確かなのだが、先進的な装備をしている分、盗みやすいのだという。昨今の自動車泥棒がハイテク化して、
・玄関先などにおいたキーの微弱電波をリレーしてドアを開ける「リレーアタック」
・車内ネットワークに侵入して乗っ取る「CANインベーダー」
という手口が産まれているとある。防御側にも、
・電子的なキーの照合がないとエンジンがかからない「イモビライザー」
という手段もあるのだが、このハイテクいたちごっこの勝者は犯罪者のようだ。
IoT機器の普及で、市中の多くのマシンがインターネット経由の攻撃を受け、場合によっては乗っ取られるリスクについて、私たちはずっと以前から警告してきた。コネクテッドトレインや、コネクテッドカーが暴走するなどのリスクである。
しかし、それ以前にインターネット接続をしていなくても、上記のような犯罪が横行していることを今回知った。これらの犯罪に対する最良の防御策は、高度なデジタル防御装置ではなく、物理的かつアナログ的なハンドルロックなのだという。
ただコネクテッドカーのトレンドそのものは、止めようがない。そうなると、乗っ取りはもちろん、盗難などについても根本的な対策が必要になるだろう。候補としては、運転者の生体認証を含む多要素認証、さらに車単体ではなく社会における<MaaS*1>としての安全対策だ。道路や信号機、駐車場などを総合的にシステム化して、利用権限のある人のみに利用してもらうような仕組みが考えられる。
まさに「DX wih Security」、このような社会システムの設計を主導するのは、政府?自動車メーカー?あるいは道路管理者だろうか?少なくとも利用者としての一般市民も、議論に加えていただきたいと思う。
*1:Mobility as a Service